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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第5話 月一テスト 女帝からの挑戦
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となど一緒にいたいと思わない。

しかし、それは一般人ならばの話だ。

俺の考えは違う。

殺姫は、アヤメを守るために殺意を振りまいていた。

アヤメへ向けられていた恨み、妬み、嫉妬など負の感情を殺姫はその身で全て受け止めていた。

アヤメの身代わりとして。

そう思い俺は一瞬表情を曇らせた。

未だに驚愕の表情を浮かべたまま固まっている殺姫は、ハッと我に返った。

「そんな絵空事、出来るわけないよ」

殺姫はそう言って俺から顔を背けた。

そんな時だった。

《出来るよ?》

突然、空中から声がした。

俺たちは声のした方に視線を向けた。

すると、空中に光の球体が現れた。

その球体は徐々に形を成して行き、光が散布すると、人の形を成した半透明の者がこちらを見て笑っていた。

その姿は、ブロンドの髪に猫の様な鋭い瞳。

犬歯が光を反射しギラリと輝く。

そして、人のものではない下半身がとぐろを巻いていた。

その姿は、神話に登場する魔物であり、俺が好んでいたモンスター。

レプティレス・ナージャの精霊だった。

「ナージャ・・・・本当なの?」 

ナージャの言葉に殺姫の瞳が揺らぐ。

そんな殺姫にナージャは無言で頷いて見せた。

《この世界じゃ無理だけど、精霊界に行けば、殺姫という存在をアヤメの中から別の対象の体へと移し替えることができるわ》

「そう、ナージャの言う通り。精霊界に行けば、お前をアヤメの体から俺の体に移し替える事ができる」

そう言った瞬間、殺姫は怪訝な表情を浮かべた。

「今の・・・・どういう意味?」

「ん? だから、お前の存在をアヤメの中から、俺の中に移し替えるんだよ」

そう言うと殺気は目を見開いた。

傍らで見ているナージャも驚いている様子だった。

そして殺姫は鋭い眼差しで俺を睨みつけた。

「自分が言っている事理解している?」

そんな彼女の眼差しにも俺は動じることなく頷いた。

「あぁ、理解しているよ」

張り詰める空気の中、楽天的な言葉を述べる俺に、殺姫は痺れを切らしたように横たわっている自分の身体を起こし俺の胸倉を鷲掴みにした。

「ふざけないでよ」

殺気の籠った視線で俺を睨む殺姫。

視線だけで人が殺せるのなら、この視線に何人の人間が犠牲になるのだろうか。

女の子に胸倉を掴まれている状況下で、俺は心の中でふざけた事を考えていた。

「ふざけてなんかないさ。俺は本気だ」

そう言って俺は殺姫の瞳を見つめた。

髪の色と同じ漆黒の瞳。

その瞳の奥で妖しく蠢いている深紅の光。

この瞳は今まで色々な物を映して来たんだな。

嫉妬、妬み、恨み、
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