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遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第4話 恐怖漂う泉での狂乱
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た。

翔たちの方に視線を向けると、翔たちも同じように、彼女の突然の変異に驚き、怯えていた。

十代も珍しく体が震えていた。

あれは武者震いなどではないだろう。

枕田や浜口も彼女の発する雰囲気に怯えお互いに抱き合っていた。

あの明日香でさえ、彼女の雰囲気に怯え自身の体を抱きしめていた。

水瀬と直哉の方に視線を向けると、水瀬も恐怖し直哉の制服の袖を強く握りしめ、直哉は顔を歪め、明日香同様に自分の身体を強く抱きしめていた。

そう言う俺は、確かに恐怖している。

体が震えている。

でも、この状況・・・・・・。

「フ、フフフ、フハハハハハハハハハハハ!!!!」

『ッ!?』

愉しい!

久々の快感に体が震える!!

自分好みのデュエルに口角が上へとあがって行く!!

この状況に愉快を覚える俺自身に恐怖している!!

十代たちは俺までも奇声を上げた事に驚愕している。

俺の事をよく知っている親友の直哉は、どうにも好きになれない俺のこのキャラの登場に顔を引き攣らせていた。

「どうしたの? 壊れたの? アハハハハハハ!!」

俺の奇声に歓喜し、笑っている彼女。

その言葉に俺は指を左右に振り舌打ちをチッチッチッとならし甘いと言うアピールを送った。

「違うよ。これは元々。この状況下において最も場に馴染めその上、この場を有効利用できるキャラと言えば、これしか浮かばなかったんだよ」

彼女の恐怖が漂うこの水上において、このキャラは恐怖を糧としさらに強くなる。

彼女の事などもうどうでもいい。

今は目の前に居る彼女を徹底的に壊したくてしょうがないんだ!!

「“僕”のターン、ドロー」

デッキからカードをドローすると、不意に俺の口元に笑みが浮かんだ。

side out


side 直哉

「な、なぁ、直哉」

「ん、ん?」

震える十代が俺に訊ねてきた。

俺は震える体を必死に抑えこむ。

「雪鷹のあれって・・・・」

十代の言葉に俺の眉間に皺が寄る。

周りに目を配れば理子や明日香たちも此方に顔を向けていた。

俺は内に溜まっている空気を吐き出し、綺麗な空気を肺に送って行く。

「雪鷹のあれはキャラクタ―だ」

「キャラクター?」

俺の言葉をオウム返しする理子。

「嗚呼。アイツは、自分の好きなキャラクターの性格を演じる事で、自分自身をそのキャラクターに近づこうとしているんだ。そして、フィクションに近づく事で、自分という存在を向上さしているんだ。でも、アイツが好む性格は狂いものが主流だ。だから、彼女の変異で場が恐怖に包まれたのなら、アイツの本領が寄り発揮される事になる」

そう言って俺は
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