戦場のプリンセス
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けられる形となってしまった。
辺りは砂煙によって二人の姿が見えなくなっていた。
やがて、砂煙の中からひとつの影が飛び出してきた。
「あれは!?」
「エリーシャよ!」
入場口から見ていたキリトとアスナは砂煙の中から出てきたエリーシャを確認した。
「ってことは・・・」
「シオン君・・・」
砂煙の中からは何も応答がなく、恐ろしいほど静かだった。
それと同じように観客席も不思議と静かだった。
そして、その違和感をエリーシャは感じ取っていた。
『おかしい・・・これほどあっさり有利に立てるほど彼は甘くないはず、なのになぜ?そして何?この恐ろしいほどの寒気は・・・』
すると砂煙は突如として渦を巻き始めた。
「な、何だあれ!?」
「急に渦を巻き始めた!?」
観客席からも驚きの声がちらほらとあがってくる。
そしてその渦の中心にいるのは、
「ここまでは約30秒といったところか、この感じからしてあと20秒といったとこだな」
「えっ・・・?」
七十四層の時と同じように白銀のオーラを身にまとったシオンの姿があった。
「さあ、第二ラウンドの始まりだ」
シオンの背中には既に二本の剣があった。
その剣を抜き一振りした瞬間、とてつもない風圧が会場を襲った。
「クッ!」
エリーシャも思わず目を瞑ってしまった。しかし、それが命取りとなってしまう時がある。
シオンはエリーシャに急速に接近し、いつの間にか二人の距離はほんの数メートル弱となっていた。
「は、速い!」
「くらえ、《スター・リフレクション》!」
「クッ!ハアアアア!!!」
エリーシャも負けじとシオンに食らいつこうとする。しかし、それがシオンの本当の狙いだった。
「かかったな」
「えっ?」
次の瞬間、エリーシャは驚愕した。なんとエリーシャの目の前から突如としてシオンが姿を消したのだ。
「そんな!消え・・・」
「消えちゃいねーよ」
その時、エリーシャの後ろにはシオンが姿があった。
「終わりだ」
「しまっ・・・!」
シオンはエリーシャの脇腹に向かって剣を振った。
エリーシャもこの距離では防御が間に合わないと分かっていても、防御の
めに剣を振る。
しかし、次の瞬間誰も予想だにしなかった行動をシオンはとった。
「・・・えっ?」
「おい、何で・・・」
「どうして・・・」
シオンがとった行動、それは・・・。
「どうして・・・どうしてトドメをささないの!?」
エリーシャはシオンに激を飛ばした。
当然である。何故なら、シオンはエリーシャの脇腹まで数ミリのところで剣を止めたのだから。
「俺は剣士ではあるが、殺し屋
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