第七話 開戦の号砲
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」
その痛烈な言葉に思わずと言った風に顔を背けるカガリ。結局、ユウナ達に良いように言い包められ、自分では何もできなかったカガリは反論することも出来ない。
その様子を見たシンはますます怒りが込み上げて来て、そのままその場を去っていく。
「失礼します」
「シン、あんたちょっと失礼よ!」
レイとルナマリアも同様に(挨拶は一応行い)その場から離れていった。
「ま、でも流石に今回ばかりはちょっと失望したかも」
カガリと離れた後、ルナマリアはシン達に対してそう言う。
「国が残るために選択したというだけの話だ。元より他国の人間である俺達には関係あるまい」
レイはあまり興味がなく、会話も流す程度に話しているだけだった。そんな中でシンは思う。自分はこの国を捨てたのだと。正直、失望したのだ。オーブという国の在り方は嫌いだが、己の理想は貫いていた。そこに怒りはあれど、ある種の認めてはいたのだ。だけど、今のオーブはそれすらも捨てた。理想すらも失った国家。
もうこの国との因縁は断ち切った。シンはそう思い、歩いていった。
◇
オーブから出て、すぐにコンディションレッドが発令される。
「一体なんだって言うんだ!?」
そう思っていると、艦内放送によって艦長から現状が告げられた。
『現在、本艦の前面には空母四隻を含む地球軍艦隊が―――そして、後方には自国の領海警護と思われるオーブ軍艦隊が展開中である。地球軍は本艦の出航をしり、網を張っていたものと思われ、またオーブは後方のドアを閉めている。我々には前方の地球軍艦隊突破のほかに活路はない。
これより開始される戦闘は、かつてないほどに厳しいものになると思われる。本艦はなんとしてもこれを突破しなければならない。
このミネルバクルーとしての誇りを持ち、最後まであきらめない各員の奮闘を期待する』
「なッ!?」
この報告を受け、艦内にいたクルーは全員驚愕する。連合の艦隊がどこで自分たちミネルバの事を知ったのか。言うまでもない、先程までいたオーブが自分たちを生贄に差し出したのだ。
怒りのあまり壁を叩き付けそうになりながらもそれを抑え込む。この怒りは目の前の連合艦隊にぶつければいいのだ。そう思い、コアスプレンダーに乗り込むと通信が開く。
『ほんと、どうしろってのよ。空母四隻よ?無茶苦茶じゃない』
『これが戦争だろーが。分かってたことだろ?』
ルナマリアが愚痴るように言い、マーレが暗に諦めろと言う。
『なんにせよ、突破できなければ俺達は此処で沈むだけだ。全力を尽くさねばなるまい』
「ああ、あいつ等全部、ぶっ斃してやるよ。シン・アスカコアスプレンダー出ます!」
◇
「チッ、数だけは一丁前
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