第39話 ゲームは一日一時間って言うけど、実際守ってる奴って居ないよね?
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楽しそうにしている。すると、遥か前の列から誰かが歩み寄ってきた。その顔を見るに、それが誰なのか一瞬で判断できた。と言うか、この場所では出来る事なら会いたくなかった人物だ。
「んだお前等。揃いも揃ってこんな所で」
「ひ、土方!」
騎士達の顔が固まる。よりにもよってこんな所で一番会いたくない人物に会う羽目になってしまったようだ。
「あれあれぇ、何だってまたこんな所にいんだよ」
「そりゃこっちの台詞だ。こちとら近藤さんに言われて仕方なく来たってのによりによって何でまたてめぇと出くわさにゃならねぇんだよ!」
土方としては折角の休日にわざわざゲームを買いに長蛇の列に入るだけでも大変なのに、その上で一番鉢合わせしたくない人間と出会う羽目になったのだからこれは不機嫌にならざるを得なかったりする。
無論、それは銀時もまた同じであった。銀時にしては毎日が休日みたいな物なのだが。
しかし娘であるなのはに頼まれて仕方なく買い物に繰り出した次第である。
が、こんな長蛇の列を律儀に並んで買うと言うのは正直言って面倒臭い。
そう言う訳で先ほどの横入りの戦法を用いた、と言う訳である。
「大体江戸の平和を守ってる警察官が揃ってゲーム買いに並ぶってどうよ?」
「俺だって好きで並んでる訳じゃねぇんだよ。只近藤さんに頼まれて仕方なくこうして並んでるだけだよ」
土方がそういった。その真相を聞きだしたいかの様に皆の視線が一斉に近藤へと向けられる。
近藤にはその視線の痛さなど微塵も感じている様子がない。
近藤自身が空気を読まない体質なのか、それとも単に読めないだけなのかは甚だ疑問である。
「ま、どうせあのゴリラの事だろうからお妙絡みのこったろう?」
銀時の読みは正しかった。その証拠に近藤が冷や汗を流し明後日の方向を向いて口笛を吹く真似をしている。
何故真似かと言うと、実際に口笛を吹こうとはしているものの口からは一切音声が発せられてないからだ。
「べ、別に何だって良いじゃないか坂田君。皆ゲームを買う理由は人それぞれって言うだろう?」
「少なくともお前みたいな薄汚い理由でゲームを買う人間はそうそう居ないと思うんだが」
「う……」
言葉に詰まってしまった。銀時の言葉に正論を感じてしまったのだろう。
そうこうしていると、店先のシャッターが開かれる。どうやら発売時間になったのだろう。
それと同時に順番などガン無視して店の中へと雪崩れ込んでいく万事屋と真選組。
とっとと3TSを手に入れて帰って休みたいのだろう。その為に社会のルールを無視する事が果たしてやって良い事かどうかは甚だ疑問なのだが。
だが、店の中になだれ込んだ銀時達の前に、本来ある筈の弁天堂3TSの姿が、1台も見当たらなかったのだ
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