暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第2部
江戸日常編
第36話 新キャラと新展開は突然起こる
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 パタパタ、パタパタ。
 サッサッ、サッサッ。
 
 忙しく動き回り、ほうきや埃はたき、果ては雑巾などを手に掃除を行っているは御馴染み万事屋メンバーの四人。
 ジュエルシード事件が終結し、江戸に帰って来てから早数日。特に依頼がなく暇な日をダラダラと過ごそうかと計画していた我等が坂田銀時。
 が、その計画は彼の娘が計画していた行いにより脆くも崩れ去ってしまっていた。
 その計画と言うのが、この掃除である。

「何だってまた源外のジジイんとこ掃除しなきゃなんねぇんだよ!」

 そう、四人が掃除しているのは万事屋の事務所じゃない。其処は既に粗方掃除を終えている。今行っているのは江戸一番のからくり技師こと、平賀源外の住んでいる工房である。
 その工房のありとあらゆる場所を徹底的に大掃除する。それが娘のなのはが計画していた事なのである。

「だって、お父さん言ってたじゃない。フェイトちゃん達はこの転移装置を使って江戸に来るって。だったら少しでも見栄え良くしないと駄目でしょ」
「だからって今日やる必要はねぇだろうが。そんなすぐに奴等だって来ねぇよ」
「分からないじゃない。海鳴市って江戸よりちょっとだけ遠い港町なんでしょ? もしかしたら今日にでも来るかも知れないじゃない」

 ジュエルシード事件の記憶を一切失っているなのはには、海鳴市が異世界だと言う事は伏せてある。些細な事で記憶を蘇らせる訳にはいかないからだ。
 なので、なのはの中では海鳴市は江戸より少し離れた港町。と言う風に教えてある。
 それを教えた途端にこれであったのだから、銀時も若干後悔してしまう筈である。

「でも、なのはちゃんの考えも強ち間違ってないと思いますよ」

 床を掃きながら新八は答えた。

「玄関は家の中を見る上で一番最初に見られる場所ですからね。幾ら中を綺麗に取り繕ったって玄関が汚かったら全部台無しですからね」
「あっそう、じゃ最初から台無しじゃねぇか。幾ら綺麗にしたってこんなガラクタの山が玄関じゃ気分も萎えちまうだろうよ」

 周囲を見渡しながら銀時が愚痴った。
 確かに、この工房内は酷く汚れている上に大量のガラクタが運び込まれている。
 源外が弄くる為に持って来た類らしいが、ハッキリ言って邪魔でしかない。

「う〜ん、それならこのガラクタも全部処分しなきゃ駄目かなぁ?」
「おいおい、掃除してくれるのは有り難いんだがこのガラクタを捨てるってのは勘弁してくれ。こいつらを捨てられると部品が足りなくなっちまって仕事にならねぇんだ」

 人から見ればガラクタの山はゴミでしかない。だが、此処の主である源外から見ればそれは大切な仕事道具である。それをおいそれと捨てられるのは困り者であった。

「銀
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