暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第36話 オレンジギルド
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〜第69層・ケテルブレイン 転移門前〜


 ローマの町並みを彷彿させるその層の街。
 その街は半径500m程のかなり大き目の街であり、一通り、確認して回ったが 各店の品質や宿の状況も良い。恐らく これから先、上の層に 上がれば上がるほど、こうなって行くのだろう。
 今現在、この層が最前線なのである。

「ふう……」

 リュウキはその街の転移門広場、そのベンチで腰をかけていた
 つい先ほど、65層の迷宮区を確認に行き、そして今帰ってきたばかりなのだ。流石に、この辺りの層になってくると、モンスターのパターンの変化もより素早く、殲滅にも時間がかかってくる。その分レベルは上昇して行くが、疲労度は格段に上がってくるのだ。
 だが、リュウキは今日は特に疲労感を感じていた。『気になる』程度だが。

「そう言えば……、以前 宿で睡眠とったの何時頃だったか?」

 リュウキは、今日感じる疲労感について、その原因を考えていた時、宿の事 即ち《睡眠》についてが頭に浮かんでいた。そして、1つの結論に達した。

「………ん。ああ、そうか、そうだったな。もう5日になるのか、連続して 各層を視て回っていたのは……。なら、疲れても当然か」

 リュウキは、原因が判った事に安堵していた。
 だが、他人が見れば どう見ても、平然としているように見えるのだが、本人曰く リュウキは疲れている様だ。
 いくら 仮想世界だとしてもだ。そう、現実では指一本動いてなかったとしても。
『……5日連続徹夜? そりゃ 無茶だろ?』と、ツッコみたいが来るだろう。間違いなく。

「さて、そろそろ、睡眠をとっておいた方が良いか? ……30分くらいは 休まないとな」

 この言葉、異常だと思うだろうが、これは本当に大真面目に言っているのである。クラインが以前キリトの行為、アリ塚で長時間狩りをしていたのに大して心配をしていたが、リュウキはそこまで言っていない。その理由は此処にあるのだ。 だからこそ、リュウキは攻略組の中でもトップのレベルなのだ。
 如何に経験値を得る量が少ない場所でも、連続して始動している時間帯が長すぎるから。

 だが、それはクラインやキリトの見解だ。全員が正確なレベルを申告しているわけじゃないから。

「さて……と」

 リュウキは、立ち上がり、一先ず主街区の宿屋へと向かおうとした時だ。

「ん……?」

 この転移門の周辺で人だかりができていた事に気づいた。
 そして、只事ではない事も。

「お願いします……お願いします……。」

 その人だかりの中で、聞こえてきたのは女性の声だった。その声を聞いただけでわかる。女性の声は、悲しみに彩られていた事に。

「お願いします……私達の……仇を……、おねがい……し
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