暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第36話 オレンジギルド
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 そう、キリトは回廊結晶を手に持っていたのだ。

「リュウキこそ……。それ 回廊決勝だろ? 珍しいな、リュウキがそれを持ってるなんて」
「……お互い様だ」

 キリトも不思議そうに聞いて、リュウキもそう返していた。
 この2人は、転移結晶は使ったとしても、回廊結晶は使わない。いや、基本的に必要無い、と言った方が正しいだろう。
 移動力は、2人とも十分に備わっているし、現時点で使用する理由が全くない。特にリュウキは道中も視て回るから更に必要ないのだ。

「オレの方は、……少しあってな。ある依頼をされたんだ」

 リュウキはそう返した。その表情は何処と無く怒っているようだ。憤怒……と言うべきだろうか。普段は、ポーカーフェイスと表現するのに、これ程判りやすい男はいない程、なのにだ

「……なるほどな」

 キリトは合点がいっていた。リュウキの言うその依頼が何なのか、それも同時に理解した。おそらく自分とバッティングをしたんだろうと言う事。
 あのギルドにいた者、その生き残りは恐らく2名だったと推察される。
 成功率を上げる為に、其々が別の場所で必死に探していたんだろう。更に回廊結晶と言う高額なアイテムを2つも準備をして。
 それだけでも、無念だった気持ちが強く現れていた。
 
「……キリト。お前もか?」

 リュウキもキリトの考えが判ったようで、そう聞いた。その問にキリトは頷き、そして同じように回廊結晶を見せた。リュウキも、それを見て完全に理解した。
 
 そして依頼者たちの願いの深さも。是が非でも叶えなければならないと言う事も同時に沸き起こった。

「なら、久しぶりに一緒に行くか……。BOSS攻略以外でのパーティは結構久しぶりだな」

 リュウキはキリトにそう提案した。キリトも依頼を受けた以上は、自分と同じ気持ちだから、と言う事が判る。そうでもなければ、大した報酬もないこの依頼を受けたりしないと思うから。
 そして、キリトなら 受けると言う事も判るのだ。それは、キリト自身も同じ気持ちだが。

「……ああ、行こう」

 キリトも頷いた。

 それは、漆黒と白銀。異なる色の字名を持つ2人。

 あのクリスマス以来 再び2人が交差した瞬間だった。


「……方針だが、考えはあるか?」

 リュウキはキリトにそう訊いた。パーティを組むから、ある程度共有はしておいた方が良いだろうと思い、リュウキは訊いたのだ。そしてキリトは。

「ん……とりあえず、奴らのホームに近い所を詮索する。彼らにも何処で被害があったかも聞いたし、しらみつぶしに、少しずつ、って感じだな」

 キリトはそう言うけれど、つまりは特になし。と言ったところだろう。

「なるほど……特に考えはなしと……。」
「ええ!
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