暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第35話 白銀と漆黒W
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ンバー達も、同じ攻略組である風林火山と全面戦争をする様な事まではしなかった様だ。

 そしてクラインは、リュウキとキリトの帰還に、心底ほっとしたように一瞬顔を緩めていたが、恐らく2人の表情を見て察したのだろう。
 直ぐに口元をこわばらせた。

「おまえら………」

 割れたような声で囁く。そんな時 キリトは、クラインの膝の上に聖晶石を放った。

「……それが蘇生アイテムだ。過去に死んだ奴には使えなかった。次にお前の目の前で死んだ奴に使ってやってくれ」

 まるで、1人で決めているかのような口ぶりだった、とクラインは思ったが。

「………オレに依存は無い。今の様に、ギルドを背負うお前にこそ、それは相応しいアイテムだ。……助けれえる命を助けてやってくれ」

 リュウキも同じ思いだったようだ。そんな2人を見て、クラインはもう堪え切れなかった。

 『希望が打ち砕かれた』そんな表情をしている、から。

「ッ……お前ら……リュウキっ キリトよぉ……! 絶対……絶対生きろよ……。最後まで……生きてくれェェ……ッ!」

 泣きながら何度も生きろと繰り返すクライン。膝から崩れ落ち、その場で蹲る。それ以上は何も言えなかった。

 
 リュウキは、今の滾る心情でクラインの事を考える余裕はなかった。
 あの時の表情をしたキリトを見て、今までずっと自分とかぶって見えるキリト。今はまるで、自分の事の様にしか考えられないから。
 そして、キリトも同じだったようだ。


 2人はクラインに返事をせず……そのまま、街へと戻っていった。



 迷いの森を抜け 街へと入ると、主街区の転移門前広場を目指した。そして、その帰ったキリトとリュウキの前に人影があった。待ち構えていたかの様に、直立不動で立っていた。
 
「……何処に行っていたの?」

 小柄なその体。その表情は険しく、決して反らせる事なくキリトとリュウキを真っ直ぐ見つめていた。

「サチ……」

 キリトは思わず声が出る。今の今まで、一言も発せず ただ無言だったキリトだが、サチを目の前にしガラリと表情を変えた。

「……行ってたんだよね。あのイベントBOSSのとこ」

 サチは確信したように言っていた。2人の表情と、そしてもう1つ彼女には確信があったのだ。

「それは……っ」

 キリトは何も言えないようだ。その言葉だけでも判る。それが間違いない事を。

「……キリト。それにリュウキ君も。2人とも、私に生きろっていってくれたよね? ……だから私にも言わせて」

 サチは、この時漸く動き出し、2人の前に来た。

「お願い。もう苦しまないで、《黒猫団》……その、皆が死んでしまったのは、キリトのせいじゃない。……私達にだって、あの時
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