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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
災厄の厄災
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値注意域を示すほつれがあちこちにあり、艶やかな漆黒だったマフラーは薄汚れてねずみ色になってしまっている。おまけにレンの顔には、特大の足跡がくっきりと残っていた。
要するにボロ雑巾みたいな姿になったレンが、そこにいた。
領主二人はそれぞれのメンバーにお説教中。キリトとリーファは────
「「あーっはっははっはっはっはっは!くっくっく、ぶわーっはっはっはっはははははっははっ!!!」」
大が付くほどに爆笑中だった。
なんたることか、カグラまでもがくすくす笑っている。
「うぅ、ひどい………。ぼく……みんなすくったのに…………」
「くっく、まぁ…………ドンマイ」
まだ笑っているキリトに肩を叩かれた。
はぁあ〜、と心の底からのため息をつく。
やっとお説教を終えた二領主は、こちらもどことなく笑いを堪えた表情をすっと改めた。サクヤは右手を胸に当てて優美に上体を傾け、アリシャは深々と頭を下げて耳をぺたんと倒す動作でそれぞれレンに一礼する。
顔を上げたサクヤが言った。
「────今回は本当にありがとう。レン君、リーファ、キリト君。私たちが討たれていたら、サラマンダーとの格差はいよいよ決定的なものになっていただろう。何か礼がしたいが…………」
「いや、そんな………」
「じゃあ、シルフ領の名物料理フルコースで!!」
こんなときでもブレないレンの頭に、ツッコミと書いて鉄拳と読むカグラのこぶしがめり込む。ミシリ、という音が聞こえたような気がした。
そんな姿を見て、リーファはハッと思いつくことがあった。一歩進み出て、言う。
「ねぇ、サクヤ───アリシャさん。今度の同盟って、世界樹攻略のためなんでしょ?」
「ああ、まあ───究極的にはな。二種族共同で世界樹に挑み、双方ともにアルフとなれればそれで良し、片方だけなら次のグランド・クエストも協力してクリアする…………というのが条約の骨子だが」
「その攻略に、あたし達も同行させて欲しいの。それも、可能な限り早く」
サクヤとアリシャ・ルーは顔を見合わせる。
「同行は構わない。と言うよりこちらから頼みたいほどだよ。レン君の方はもうかなり前から同行が決まっていたしな。しかし、時期的なことは何も言えないな…………しかし、なぜ?」
「…………………………………」
ちらり、とキリトを見る。謎の多いスプリガンの少年は、一瞬瞳を伏せると言った。
「俺がこの世界に来たのは、世界樹の上に行きたいからなんだ。そこにいるかもしれない、ある人に会うために…………」
「人?妖精王オベイロンのことか?」
「いや、違う───と思う。リアルで連絡が取れないんだけど………どうしても会わなきゃいけないんだ」
「へえェ、世界樹
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