第32話 本当の強さとは諦めの悪い事
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き続けた。
それは赤い球体の様な物だった。薄紅色と言った方が良いだろうか。大きさはビー玉位の代物だ。
それが光を放っていたのだろう。
その球体を手に乗せる。不思議だった。無機物の球体だと言うのに、それからは何所か温かさを感じられる。温もりを感じられる。
「あったかい……それに、なんだか懐かしい感じがする」
【待たせてしまいましたね】
「しゃ、喋った!?」
それには驚いた。球体が突如喋ったのだから。
しかし、この声……何所かで聞き覚えがある気がする。
【驚かせて御免なさい。でも、今はそんな事を言っていられる時ではないの】
「は、はぁ……」
何所かしっくりと来ない感じがするが、とりあえず納得してみせる事にした。その間もその赤い球体は話を進めた。
【今まで、貴方とこうして話をする事が出来なかったけれど、今はこうしてこのデバイスを通じて貴方と話をする事が出来ます】
「あ、あのぉ……貴方は何者ですか?」
【いずれお話します。それよりもまず、デバイスの起動を】
「で、デバイス? 起動?」
フレーズが多すぎて理解に苦しんだ。そもそもそんな代物江戸にはなかったのだから。当然知ってる筈などない。
【私と共に唱えてください。契約の言葉を】
「わ、分かりました」
頷き、互いに言葉を並べる。
”我、使命を受けし者なり。契約のもと、その力を解き放つ。
風は空に、星は天に、不屈の魂はこの胸に”
【……多少違う気がしますが】
「えっと、頭の中に浮かんだのをそのまま言ってみました」
【はぁ、まぁ、良っか。では最後です】
「うん、この手に魔法を。レイジングハート、セットアップ……って、魔法ぅぅぅ!」
言い終わった後で驚くなのは。それに声の主が多少引きつった感じになっている。
【そ、そうですけど】
「ええええ! 本当にぃ、凄い! これで私念願の魔女っ子になれたんだ。感激〜〜〜」
【はいはい】
何所か呆れてる感が見られる。しかし感動の余韻に浸っているなのはには至極どうでも良い事だったりするのだが。
そんな時、球体から閃光が発せられた。その閃光はなのはを包み込んでいく。とても温かく、そして心強い光であった。
【今の私に出来るのはここまでです。頑張って依頼を達成して下さいね】
「有り難う。でも、貴方は本当に誰なの? 名前位教えてくれても」
【何時か、また会う機会があれば、その時にお話しますよ。それでは】
それっきりその声は聞こえなくなってしまった。一体あの声の主は何だったのだろうか?
今はそれを確認する術がない。それよりも今は。
《始めまして、貴方が私のマスターですね?》
「わ、また別の声だ!」
今度は別の声が響いてきた。今
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