暁 〜小説投稿サイト〜
ゲルググSEED DESTINY
第六話 一時の空白
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
の庭は荒らされるのですよ。我々は教えてあげなければならないのです。何が雑草で、何が美しい花なのかを……」

消極的な意見を言ったロゴスの一人はジブリールの意見に押し黙る。別段、彼とてコーディネーターを生かしたいなどと思っていないので当然の反応だろう。

『だが、勝算はあるのかね?地球が荒らされた今、我々に長期戦は難しいぞ』

「勿論ですとも。直接プラントを討てばいいのですよ。核を使ってね―――」

その言葉にロゴスのメンバーが騒ぎ出す。使う事そのものに反対な訳ではない。報復を恐れているのだ。かつての二年前の戦争。あの時に使われたジェネシス。ロゴスのメンバーは空の化け物とコーディネーターのことを言うが、それは侮っているからではなく、恐れているからこそだ。

『無謀ではないのか、ジブリール?』

『そうだ、万が一失敗した時はどうする気だね』

口々に喚きたてられる反論、ジブリールは年を取った老害は自己保身だけは強くなってと思うが口に出すことはしない。いかにジブリールがロゴス内において最も権力を持つといっても、それはあくまでロゴス内による多数決で選ばれたからこそだ。
彼らにとって都合の悪い動きをジブリールがするようになれば、すぐさまこの席から降ろされ、別の誰かがこの席に座ることになるだろう。故に、彼は癇癪を起すように喚くのではなく、説得するのだ。

「皆さん、何を恐れる必要があると言うのです。今ここで討たねば寧ろ危険なのですよ。それにですね、仮に失敗したところで地上にいるザフトの数は少ない。一気に蹂躙できるんですよ。そうすれば少なくとも空に化け物を閉じ込めることが出来る」

『…時期を見てもいいんじゃないかね?』

「その考えが甘いのですよ。デュランダルは自らの同類が行った蛮行を別の誰かの罪に押し付け、まるで自分たちは悪くないと言い張る。そして、この母なる地球へ支援を行うと抜かすのです。
これを見逃せば、愚盲な民衆はこう思う事でしょう……コーディネーターは危険ではないと。
ユニウスセブンを落としたのは目の前に手を差し伸べようとしているコーディネーターにも関わらずですよ!まるでこれでは出来の悪いマッチポンプのようではないですか。
ですが、民衆とは愚かなのです。だからこそ、そのような事態に陥る前に我々が率いねばならない。彼らが差し伸べているその手は詐欺師の手なのだとね」

我々が率いる―――その言葉が琴線に触れたのか、気を良くしてロゴスの面々は賛同していく。ジブリールはその様子を見て馬鹿な奴らだと思うが、利用できる存在であることに変わりはなく、気分を良くし戦争を―――否、一方的な虐殺を始める準備に取り掛かった。





[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ