幕間
Trick@02_賭けろよ、あんたの誇りを
[9/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いた。神裂の騙されやすさを利用すること。
本当は戯言をあと5個用意していた。その中には騙すタイミングで
逆に実行する、虚実を織り交ぜてかく乱して今のように距離をとる戯言も用意していた。
合計7個の戯言は神裂の実力を計算した結果の数だ。全てを使っても成功率は60%。
神裂には通用しないかもしれない、とも思っていた。
しかし、それが2個目で離れることができた。信乃の実力の“おかげ”ではない。
神裂の実力の“せい”だ。
今の神裂は違う。信乃の知っている、世界最強クラスの戦士ではない。
どこか焦っている。ならば狙うならそこ。そしてアレを繰り出す。
ワイヤーを避けながら考えていた中で、時間がかかるから却下した
あの技を。
神裂は目を閉じて動かずに待っていた。
再び火柱と共に消えた敵の気配を、神裂は皮膚の神経を研ぎ澄まして捜す。
攻撃に来れば殺気を放ち、それを手掛かりに反撃をする。
最善の対策を取った。
それは自分に攻撃が出されたときに有効な手だったが、
信乃の行動は攻撃でないために、反応が遅れてしまった。
炎の道(フレイム・ロード)
Trick - GRAND SLIDE SPIN BURNING WALL 1800°!! -
神裂の後ろに強烈な炎の壁が上がる。
A・Tのホイール摩擦で炎を生み出す炎の道。
回転しながら滑ることで、地面の沸点を超える摩擦で炎の壁を作る
最高技。
わざと神裂に直撃しない近くの地面に対して繰り出した技なため、
神裂へ殺気は送られない。神裂の反応は遅れ、気付いた時には技が終了した後だった。
「っ!? ですがこの程度の炎ではやけど一つしません!!」
攻撃ではないと同時に、これが煙幕または囮であることに警戒する。
炎の壁に体を向けて立っているが、信乃の性格を考えて
逆に何もない背後から来ることを想定、神経を後ろにも散らして攻撃を待っていた。
次の信乃の攻撃、それに対する自分の防御、回避、反撃のあらゆるパターンを
考えて対処できるようにシュミレートする。
(さあ! いつでも来てください!)
刀を握り直して、信乃の攻撃を今かと待ち構えた。
その考えは裏切られた。
神裂にとっては長い時間に感じた。
だが、実際には炎の壁が消える20秒にも満たない短い時間。
その間にも全く攻撃は来ない。
そしてついには炎の壁が霧散し、その向こう側に信乃が立っていた。
「・・・・・意外でしたね。炎の壁を使って攻撃すると予想していましたが、
まさか何もせずに炎の向こう側に立っていただけとは思いませんでした」
距離にして10
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ