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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick@02_賭けろよ、あんたの誇りを
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寸口八丁、いや、足八丁で行きますか)

戦闘で冷静にしかなれない信乃は、自分の欠陥製品っぷりに感謝しつつ
作戦を決めて実行する。

「流れを変えますか・・・新しいトリックを使わせてもらいます!!」

信乃は再び自分の前で手を叩き合わせるように振りかぶる。

神裂は当然、突風が来るのを予想して回避動作に移る。

その瞬間に信乃は距離を詰めてきた。空間が空いていなければ、あの(トリック)
出すことができない。それなのになぜ?

疑問を持った神裂だが、
自然に“考える”(あたま)よりも“防御するワイヤー”(からだ)を動かした。

再び七閃を使った結界防御。

「“時”よ!」

「!? 無理に接近戦に持ち込むつもりですか!」

一度は“時”でワイヤーを防御された。ならばワイヤーを排除することも可能だ。

神裂はワイヤーの張りをさらに強くする。

“時”の正体が連打である事を神裂は予想していた。“時”が解けた後にある
体の痛みが、戦闘で経験してきた打撲傷を受けた感覚に近かったからだ。

確証がないが、信乃は“時”を使ったときには腕を主体に攻撃している。
それなら間違ってはいないと確信を持ってる。

腕の攻撃なら、ワイヤーに触れる必要がある。
だが、限界まで張りつめたワイヤーに少しでも触れれば、傷つくのは信乃の生身の手の方だ。

よりワイヤーを強く張るために、しっかりと地面に足を踏ん張る。

それこそが信乃の狙いだと気付かずに。

ワイヤーに触れる寸前、正確には最後の一歩を踏みこむ直前にA・Tの向きを横にして
地に足を着けた。

当然、A・Tは横に向かう。
全身が戦闘体勢だが、足首だけが方向を変えることで急転換した。

「フェイント!?」

すさまじい速度で急に横に行ったことに、神裂の体は反応できなかった。
なにせ足は完全に地面に踏ん張っている。体重が両足に分散した状態では素早く動くことは
絶対に無理だ。

距離をとることに成功した信乃は、悪い笑みを浮かべる。

「言ったでしょ? 騙し(トリック)を使うって。戯言だけどね」

言い終わると同時に火柱を上げると共に消えた。


炎の道(フレイム・ロード)
  Trick - AFTER BURNER -


今度は神裂に向かっての火柱ではなく、周りに規則なく発生した。

道路はもちろん、その上にある歩道橋。街灯の柱。少し離れたビルの壁までもが
信乃の移動範囲だった。

火柱が消えるたびに新しく別の場所に無数に発生する、それが繰り返された。


周りの時が止まったと感じるほどの速度で動く信乃。動きながらも思考は
止めずに新たな作戦を練っていた。

しかし攻める方法は決まって
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