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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick@02_賭けろよ、あんたの誇りを
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場に行って」

「・・・・わかった、頼む。持ってきたらすぐに寝ろよ」

反論する理由もないし、無理に眠るように言えばまた口論になりかけるだろう。
美雪の言葉に信乃は素直に従った。




しみるのを我慢しながら傷口を洗い、汚れと血を落とす。

体をタオルで拭き、籠の中の着替えを見るとパンツ一枚しかなかった。

「美雪さん・・・地味な嫌がらせですか?」

着替えを持ってきたのは美雪、今は眠っているはずから文句も言えない。

そして着替えが置いてあるのは彼女が眠っている寝室。(信乃は別室のソファーで寝ている)
仕返しをしたいとはいえ、さすがに眠るのをがまんして
待ってくれた人の安眠を妨害したくない。

「今日はこの格好で寝るのかよ」

諦めをぼやきながら脱衣所を出ると、まだ部屋には明かりがついていた。

そして信乃が眠るのに使っているソファーには美雪が待っていた。

「さ、早くそこに座って」

信乃をパンツ一枚の格好にしておいて、彼が眠っている場所で待っていた。

普通ならいかがわしいことをするのでは、と思うのだが、ソファーの側の
テーブルには救急治療セットが置いてあった。

治療するために衣服を脱がなければならないので、その手間を省くために
美雪はパンツだけを持っていったのだ。

「針と糸もあるってことは縫うのか?」

「その方が治りは速いよ。その体だとこれ以上傷痕が増えても気にならないでしょ」

「ま、確かに」

さらけ出されている上半身には傷痕がいくつもあった。

戦場で受けた傷。そしてこの1年で増えた傷。その傷痕は重症と思われるひどいものは
なくても、細かいものがいくつもあった。

実は水着撮影会の時、男性物の水着でサーファーのウェットスーツを着ていたのは
これを隠すためだ。

「痛いだろうから反射神経のスイッチをオフにして」

「了解、頼む」

「ごめん。前々から作り始めているんだけど、まだ信乃に効く麻酔が完成してなくて」

「あやまるな。悪いのは薬が効かない俺だよ」

「・・・・うん」

それから美雪は黙々と治療に取り掛かった。

傷を縫い終わった後はかすり傷と打撲痕に薬を塗って包帯を巻く。

そのあと、A・Tの使いすぎで再び筋肉断裂の炎症を起こしている足にも
薬を塗ってマッサージをする。

信乃は「治ったばかりなのにまた怪我して何考えてるの!?」と怒られると思ったのだ
美雪は何も言わずに治療を続けた。




「ん、終わり・・・・」

足のマッサージが終わり、信乃はソファーにうつぶせの状態から普通に座り直す。
美雪もソファーの空いた場所に座って治療道具を片づけ始めた。

「なんでそんな顔して
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