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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
幕間
Trick@02_賭けろよ、あんたの誇りを
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やっぱり落第生の上条だった。

「上条さん、疑問形ですけど大丈夫ですか? 続けますよ?

 で、私は神裂さんに勝ちたいけど、できるだけ怪我をさせたくない。
 強い攻撃を一度当てただけで倒せないのは戦っている間にわかりました。
 ですから動きを封じることにしたんです」

「あの金属を使った技ですか」

「はい。共振動を使って体を無理矢理動かせなくしました。
 体と同じ周波数の振動を受けると、まるで体が石になったように
 固まってしまう現象があります。
 その現象をスパナに振動を詰め込むことで神裂さんの体に起こしました。

 ですが、あの(トリック)を出すにはホイールの振動周期の調整に時間が
 かかるうえに、接近してスパナを触らせなければならない。

 だから攻撃をさせて意識を前に集中させるために、炎のレンズで攻撃の無効化、
 そして『ぬらりひょんという化物と戦う』ありえない状況での混乱を
 狙ったわけです」

もっとも、玉璽(レガリア)があれば瞬時に共振動を起こせる、とは言わなかった。

「・・・・さすがですね。前の模擬戦の時とはまるで別人です。
 たまには最大主教(アークビショップ)に顔を見せに来てください。
 所属していないとはいえ、あなたも魔術師ですから」

「そうですね。手紙はたまに出してますけど、何より忙しいですから当分は無理です。
 代わりによろしく言っておいてください」

「忙しい・・・ですか。今は暴力の世界でも仕事を請け負っていると噂で聞いてます。
 あなたほど生きている世界が混ざり合った人はそうはいませんね。

 表の世界で育ち、科学の街で成長し、混沌を経験して、魔術師として学び、
 表の世界の最高峰で揉まれ、暴力の世界を対峙し、全ての世界を駆け巡り
 今は財力の世界に所属している」

「ついでに付け加えれば生まれは政治力の世界らしいですよ」

「それは・・」

「まあ、戯言ですけどね」

神裂に質問される前に、笑って誤魔化した。

ふと、辺りを見渡す。激闘のあとで、道路はかなりの範囲でエグれて壊れていた。

「ここのあと始末ですけど、私に任せてお二人はインデックスさんの所に
 行ってください。私はこの場所を直していきますから」

「直すって、そんなこと出んのかよ!?」

「あ、上条さんいたんですか」

「いたよ! いましたよ!! 2人が魔術師だか話していて完全に蚊帳の外だったから
 何も言わずに黙っていたんだよ! 少しは感謝しろ」

「アリガトウゴザイマシタ、クウキ」

「棒読みか!? しかも空気言ったな! 感謝の気持ちはないんですか!?」

「まぁ、この人は放っておくとして、とにかくインデックスさんの所に行ってくだ
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