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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic17非情なる真実〜5 of PentacleS〜
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らわたしは告げる。プレシアがムチャクチャなことを言いだす前に、わたしの口から・・・教える。

「プレシアが放逐された原因の魔導炉暴走事故の時、難しい話は省くけど、それに巻き込まれたプレシアの実の娘、アリシアは亡くなったの。その後、プレシアはある技術の研究を行い始めた。使い魔を超えた人造生命の生成、そして死者蘇生の技術。記憶転写型特殊クローン技術・・・プロジェクトF. A. T. Eっていう技術を。その研究の成果が・・・」

フェイト・テスタロッサ。彼女の真実。プロジェクトF. A. T. E。稀代の天才、プライソンが提唱・研究した技術。プライソンは性別・年齢・容姿・出身世界、現在の行方と言った個人情報を一切不明とする人物だ。わたしが説明を終えると、プレシアは『ええ。その通りよ』と認めた。
そしてプレシアはアリシアの思い出を語り出す。アリシアとフェイトを差別するために。フェイトと違ってアリシアは優しく笑う、フェイトと違って我が儘は言うけど、自分の言うことはちゃんとよく聴いてくれる、フェイトと違ってもっと優しい・・・。そのどれもがフェイトを拒絶して否定する、悪意に満ちた言葉。

「うるさい・・・!」

「もうやめてよ・・・!」

これ以上は本当にダメだ。プレシアの悪意でフェイトの心が壊れてしまう。それが判るから、わたしは、そしてなのはは止めに入る。それ以上、フェイトを苦しめるなって。

「けど所詮作り物の命は作り物よね。喪ったものの代わりになんてならなかった。いいフェイト? あなたは私の娘じゃない。ただの失敗作。もう顔を見るのも声を聴くのも嫌だわ」

「やめなさいよ・・・!」

「お願いだからやめて・・・!」

「もうやめろ・・!」

「「やめろって言ってるでしょ・・!」」

「プレシア・・・!」

アリサもすずかも、ユーノもセレネもエオスも、アルフもだ。怒りでどうにかなりそうだった時、ふと、「哀れね」口からそんな台詞が勝手に出た。プレシアが『なんですって?』と訊き返してきた。わたしは口が動くそのまま続ける。

「ジュエルシードを使ってアルハザードへ行く? 馬鹿言わないでよ。実の娘を喪った悲しみは、まぁ、子供のわたしにはまだ理解できないけど、でも何か大切な人を喪った悲しみはわたしにも解る」

1年ほど前、わたしは姉のように慕っていたシスターを病気で喪った。今でも悲しいけど、「でもね、失った命はもう取り戻せないんだ・・・!」って理解してる。立ち止まって、亡くなった人のことで自分を縛るとロクなことにはならない。プレシアっていう事例を見れば解る。忘れなくていい、悲しんだっていい。それが当たり前だ。でも死を認めずに、故人に執着するのはダメだ。亡くなった人の分まで歩いて、生きていかないと・・・ダメなんだ。


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