出会い
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思い出せないが、後々必要になる事だけは覚えていたのでとりあえず封印を施す。壊れた病院の中を覗くとピグモンが物陰に隠れながらこちらの様子を伺っていた。
「あのフェレットは無事だ。お前も元居た場所に帰ると良い」
オレの言葉にピグモンは素直に応え、森の方に帰って行くのを見届けてから部屋までテレポーテーションで戻る。バリアジャケットを解除しベッドで寝た振りをする。しばらくすると部屋の扉が開き、なのはがこっそりと帰って来た。着替えが済むまで待ってから声を掛ける。
「何処に出かけていたんだ」
何時もなのはに話しかける様な声色ではなく、硬く低い声で問いかける。
「起きてたの!?」
「起きていたとも。それで、そいつを見る限り病院まで行って来たんだろうが、攫って来たのか?」
「ち、違うの。これは、その、えっと……あぅ」
「……さっきGUYSの車両が動物病院の方に走っていった。話していなかったがあの森には何か凶暴な動物が居た跡が残されていた。小型の怪獣だと思うけど、そんな動物の跡が。あの森から病院まではそれほど離れていない。襲われていたんだろう、病院が」
「……うん。それで知らない人が逃げろって。私、その人を置いて、置いてまた逃げちゃった」
「また?」
「アリサちゃん達と出会った時みたいに、置いて逃げちゃった」
あの時か、サキにアリサ達を逃がすように指示を出して校舎内を走り回ったっけ。なのはは今にも泣きそうな顔をしている。今までそんな事を気にしていたのか。
「なのは」
オレはなのはを優しく抱きしめて頭を撫でる。
「逃げる事は悪い事じゃない。1年生のクリスマス前のあの時、オレはアリサを助けに行ったのに、怖くて一度逃げ出した」
正確には足が竦んで動けなかっただけだが、あまり変わらないだろう。
「だけど本当に自分がやりたかった事を、アリサを助ける為に立ち向かった。なのは、お前がやりたかったことはやれたのか?」
「……私がやりたかったこと」
「それがやれたのなら胸を張れば良い。なのはは何の為に行っていたんだ?」
「私は、私は助けを求められたから、助けたかった」
「助けられたのか?」
「うん」
「なら良かったな。それにその知らない人っていうのは青色っぽいコートに鎧みたいな物を着けて顔を隠していた男の人か?」
「えっ、うん。けどなんで知ってるの?」
「一度会った事があるからな。その人なら大丈夫だろう。剣一本で小型の怪獣と普通にやりあう人だったからな。もしかしたらあの人がウルトラマンなのかもな」
まあウルトラマンだけどな。
「フェレットに関しては明日の朝にでも父さん達に話そう。ただし、絶対に店の方には連れ出すな。特に厨房は衛生上、絶
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