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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第6話 母の願い・妹の誓い
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「確かになのはちゃんは"魔法"の才能があると思うけど……まだ"原石"の段階なんだよ。少し強引でも磨きに磨き抜いていかないと、対抗できないんだよ」

「だけど・・・・」

「私としては、なのはちゃんに少しでも身を守れる力を付けて欲しいんだよ。私はなのはちゃんと同じ砲撃型だし、動きもなのはちゃんと比べれば機動力か無いに等しいんだよ」


確かに魔力魔術兵装(エインフェリア)として飛行の『魔術(ルーン)』は組めた。
だけど、自分自身の『戦略破壊魔術兵器(マホウ)』としての役割は、圧倒的な火力不足を補う事とマスターの補助のみ。
なのはのような空戦機動、ドッグファイトは無理だ。


「あの子と戦闘になった場合、なのはちゃんがあの子の動きを阻害、又は止める役割……私は砲台として仕留める役割って分担した方が有利なんだよ」

「確かにそうだけど・・・・」


「本当は前衛役が居てくれれば良いけど、ユーノくんは無理だよね?」

「う・・・・」


サクラの言葉がユーノの胸に突き刺さる。
見るかにというより、どう考えてもユーノは肉体労働者ではない。
純粋な頭脳労働者。
葛葉は壁役になれと言ったが不可能だろう。
思わず、サクラは溜め息交じりに言葉を吐き出した。


「マスターが居てくれれば、すご〜〜く楽なんだよ〜〜・・・・」

「葛葉は手伝う気はゼロだと思う」


初めてジュエルシードを封印した日に確かに告げられた。
手伝う気はない、と・・・・。
何で、あの双子の兄は彼処まで頑なに協力したがらないのか。


「まぁ、マスターの信条は穏やかに暮らしたいってことだから。その平穏を破られたのが、ちょっと許せないんだと思うよ?」

「うん、何事もないようで平穏な日々を大切にしたい……って、昔言ってた」


子供の口から出るにしては、深い想いが篭った言葉。
本当に同い年の兄妹かと思ってしまう。


「葛葉には、あんまり迷惑掛けたくないな……」


なのはが同じ時を生きてきた半身を想い、呟く。
昔から色々と迷惑を掛けてきた。
いつも、葛葉にはその都度助けてもらってきた。
双子だから、兄妹だから、気にすることはないと言われる。
でも、私は迷惑を掛け通しの兄に少しでも何かを返したかった。

だって、葛葉はいつも私の隣に居てくれたから。
お父さんが大怪我をして入院し、家族が忙しくなり、私に構ってくれる機会が減り、寂しい想いをしていた日々。
葛葉は……兄だけはどんな時でも側に居てくれた。
元々、幼い頃から多方面でその才能を遺憾無く発揮し、当時も彼自身、忙しかった筈だ。
でも、声に出さず、寂しさを圧し殺し、良い子供を演じる私に、葛葉はこういった。

ーー寂しいな
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