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Magical Girl Lyrical NANOHA− 復元する者 −
第6話 母の願い・妹の誓い
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て!この子、名前は!?」


再び呼び止められ、背中を此方に向けたまま、立ち止まる。


「・・・・■■■」

「ぇ?」

神梛木(かんなぎ) ■■■……それがその子の名前」

「■■■……良い名前ね」

「そう・・・・だけど、その子を本当の名前で呼ばないで上げて。名前は貴女が新しく付けて」

「良いの?」

「その方がその子の幸せなの……桃子、■■■をお願い。■■■は私の希望だから」


今度こそ、振り返る事なく道を歩み出す。
激しく降り頻る雨の中。
布に包まれた子を抱きながら、桃子は親友の後ろ姿を見送った。




ーーそれが、彼女を見た最後。

ーー神梛木 美桜と……親友と交わした最後の会話。

ーーそして、最後の約束だった。










第6話[母の願い・妹の誓い]










タン、タン、タン♪

軽快な包丁の音色が聞こえる。
とある喫茶店の厨房。
そこでは、エプロンをした黒髪の少年が野菜やハム等の具材を切っていた。


「葛葉〜…サンドイッチ出来た〜?」

「未だだよ、母さん。もう少し待って」

「はーい」


厨房の外から聞こえる母の声。
現在、葛葉は両親の経営する喫茶店『翠屋』にて手伝いをしていた。
彼がこうやった簡単な軽食や店の売りである母の作るデザートの仕上げを手伝うの日常的であった。
初めて、手伝わされたのは葛葉が4歳の頃。
それからメキメキと料理の腕を上げ、最近ではデザートのデコレーションも考えていた。
テキパキと注文されたサンドイッチを作り、店内に持っていく。


「はい、サンドイッチ」

「はい、はーい」


同じく手伝いの姉が注文された料理を受け取りに来る。
姉弟(きょうだい)で店の手伝いをするのは珍しくない。


「くーちゃん。次はミートスパゲッティね」

「姉さん……調理師免許って知ってる?いい加減、母さんを厨房に戻してよ」

「大丈夫♪くーちゃんの腕は保証できるよ」

「はぁ〜…そういう問題じゃないんだけど・・・・」


呆れた様子で再び厨房に引っ込んでいく弟。
その後ろ姿を見て苦笑いが漏らしながら、注文された品を受け取り、テーブルに運ぶ。
客からのオーダーが一度止まり、店のカウンター側に入り、一息付く。
その側に桃子が近付いてきた。


「美由紀、葛葉は?」

「また厨房に引っ込んでいったよ」

「そう・・・」


桃子が葛葉のいる厨房の方に目を向ける。
少し表情に影が差し、何かを心配している様子。
母のその雰囲気に違和感を感じ、美由紀が問い掛ける。


「ねぇ、お母さん」


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