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銀色の魔法少女
第十四話 時空管理局 前編
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イの様子を見る。

 つまり、こう言っていた。

 [本気になるまで待ってやる]

 その余裕が、レイの心を焚きつけるが。

(舐めやがって! けど、明らかに俺とあいつじゃ相性が悪い、あの赤髪みたいに魔力重視で向かってきてくれた方が、アレも使いやすいのに)

 レイのレアスキルは魔力のみに効果がある。

 つまり、雷など発生した効果の方には何の効力も保たない。

 となれば、体術と凍結を操る遼はまさに、天敵と言えた。

 レイの心が焦りで満たされる。



 そこに、神の助けとも呼べる好機がやってきた。



        「ストップだ! そこの四人!」



 睨み合う遼とレイではなく、ぶつかり合っていたなのはとフェイトの間に、彼は現れた。

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ、詳しい事情を聞かせてもらおうか」

 右手の杖でバルディッシュを、左手でレイジングハートを受け止める。

(しめた! 原作よりも早いが、ちょうどいい!)
『フェイト、アルフ! ここは逃げるぞ!』

『けど、ジュエルシードが――』

『捕まったらそこまでだ! また他のを探せばいい!』

『……うん、分かった』

 フェイトをなんとか納得させ、アルフに目配せをする。

「墜ちろ!」

 レイは残った右腕で魔力砲をクロノに向けて放つ。

「なんの!」

 十分に魔力を込められていなかったそれは、クロノにも防げる程であった。

 しかし、逃げるには十分だった。

 レイはアルフにつかまり、フェイトは転移魔法を使い、三人で逃げる。

「しまった、エイミー、追跡できる?」

『ううん、連続で転移してるからちょっと無理っぽい』

「わかった、ありがとう」

 エイミーとの通信を切ると、今度は空中に緑色の魔法陣が現れ、その中心に女性の映像が映る。

『クロノ、お疲れ様』

「すいません、二人は逃がしてしまいました」

『いいのよ、三人残ったのだし、彼らを案内してくれるかしら』

「わかりました」

 クロノ遼たちに向き直る。

「というわけだ、君たちには事情を聞きたいから、僕の後についてきてほしい」
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