第十四話 時空管理局 前編
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構える。
「死んでも教えないけどね」
レイも一般魔道士が使うストレージデバイスの杖を構える。
(? この前の槍じゃない)
「ほう、我はその程度で十分と申すか」
「まさか、奥の手を隠しているのはお互いさまだろう?」
(ん?)
そう言われて、遼は内心、首をかしげる。
(はて、私に奥の手なんてあったかな?)
改めて自分の戦闘スタイルを思い出す。
斬る、突く、弾く、あと殴る蹴る、面白いほどに魔法を使ってなかった。
一応強化や飛行魔法は使っているけれど、それは本当に基本中の基本だ。
シールドを使うよりも切り裂くことを好む遼は、戦闘にシールドを使ったことがない。
魔法陣を見せたのも、温泉での一件が初めてだった。
(なのはやヘイト?も魔法少女らしいのに、私って、ほんと脳筋だったんだ……)
(いえ、遼は脳筋じゃありません! ただ肉体で戦うのが好きなだけです!)
(クリム、あまりフォローになってないよ……)
クリムからの思わぬフレンドリーファイアにより、遼の心は大きくえぐられる。
遼の唯一魔法らしい魔法といえば、凍結のみである。
(けど、これ本当に手加減が難しいんだよね……、ん?)
目の前にいるのは、ちょうどすぐには死にそうにない強敵。
(一度、全力を試してみるのもいいかも!)
「そうじゃのぅ、一度全力でやるのも一興かもしれぬな」
瞬間、遼を中心に辺りの温度が急激に下がる。
レイはもう春だというのに、真冬に逆戻りした気分だった。
「凍結魔法、いや、凍結の魔力変換資質か、またレアなスキルを……」
遼は剣を鞘に収める。
「簡単に死んでくれるなよ、ここに魔導師はいなかった故な、我も己の実力がどの程度か測りかねていたところじゃ」
そう言うと、遼の姿がレイの姿から消える。
(やばい!)
レイは周囲にバリアを張るが、シールドより脆いそれでは遼の剣を受け止められるはずもなかった。
「!?」
真後ろからガラスが砕けるような音が聞こえ、振り返る。
命の危機を感じたレイの視界が色をなくし、動きが緩慢になる。
その剣がレイの首に届く前に、左腕を差し込んで止める。
骨が砕ける嫌な音がレイの耳に響く。
(バリアジャケットでも防ぎきれない!)
レイはそのまま弾き飛ばされたが、着地には成功した。
けど、更なる驚異が彼を襲った。
「まじかよ……」
防御に使った左腕が氷漬けにされていた。
よく見ると、遼の刀身が冷気をおび、水色に輝いている。
「さあ、本気でこぬならば残った腕も凍らせるが、どうする?」
遼は剣を収め、レ
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