第五話 狂気と破滅
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ーレ。マーレの直属の上官であるクラウがプラントに帰還した以上、この場の最高責任者である艦長職の人間に指示を仰ぐのは当然と言えた。
マーレもプラントへ帰還すべきかこのミネルバに残るのか。少なくとも艦長ならクラウから何らかの言葉は受けているだろうと思いここに来たようだった。
「ええ、彼から指示を受けてるわ。これを渡すようにってね。中身は読んでないわよ」
そう言ってタリアは書類をマーレに渡す。それを受け取り読んだマーレは顔つきを変えた。
「―――すまんが、失礼させてもらう」
「え、ちょっと、これからどうするつもりなの!?」
一枚目を見てすぐさま退出しようとするマーレに驚き、タリアはせめてこれからどうするつもりなのかを尋ねる。
「しばらくはミネルバにいるさ。この書類に書いてある通りになるならな」
そういって、マーレはそのまま退出していった。
「はあ、一体何が書いてあったていうの?」
困惑したままタリアはまた一つ溜息をつくことになった。
◇
マーレは書かれていたことを読んで思わず、声をあげて笑いそうになる。
『戦争が始まる可能性が高い。だからこっちが迎えに行くまで暫く自由にしていい』
戦争が始まればナチュラルを殺す大義名分を得ることが出来る。そういう意味じゃいろんなところから注目を浴びるミネルバは好都合ともいえた。
「いいぜ、そうこなくっちゃ―――」
獰猛な獣の笑みを浮かべながら与えられていた自室まで戻るのだった。
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