第0章 転生世界のチャイルドドラゴン
第1話 少年と赤い龍帝
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明日もイリナ達と思いっきり遊ぼう。そう思い俺はゆっくりと瞼を閉じた。
『………きろ…』
……なんだ?
『…い……おきろ…』
……声?
『おい…おきろ……』
……誰だ?
『おい、起きろ。相棒』
………ッ!?
重く威厳に満ちた声に俺は目を開ける。そこは赤い世界だった。
周りには炎が燃え盛り、黒一色の世界を真っ赤に塗りつぶしている。なんだここは?一体どこなんだ?
『ここはお前の心の中だ、相棒』
ッ!?この声、さっき聞こえてきた…。
『まさかこんなに早く俺の声が聞こえるようになるとはな。今回の相棒は可愛らしい見かけの割に中々見どころがありそうだ』
何だ?誰なんだ?相棒って、俺が?一体どこにいるんだ?
『ここだ。目を凝らしてよーく見てみろ』
俺はその声の言うとおりに目を凝らしてみた。すると炎の世界に段々と輪郭が露わになっていきやがて完全な形を成した。その姿を見て俺は目を見開いた。何か言葉を発したいが口がまともに動かない。それほどの衝撃だった。
俺の目の前に現れたのは、血のように赤い大きな瞳。耳まで裂けた口元には鋭利な牙が生えそろっている。頭部には鋭い角が何本もあり、体を覆う鱗はルビーのように赤い。その体格はとてつもなく巨大で俺など一呑みで平らげられるだろう。その姿は神話やお伽噺の中でのみ存在するはずのもの。
そう、俺の前に現れたのは――――――――赤いドラゴンだった。
『そうだ。その認識でいい。まずは初めましてと言っておこうか。我が宿主にして相棒、兵藤龍夜よ』
お、お前…どうして俺の名前を…?
『もちろん知っているさ。俺はお前とずっと一緒にいたんだからな』
俺と…ずっと一緒に…?
『ああそうだ。先ずは自己紹介しておこうか。俺の名はドライグ。誇り高き二天龍の片割れである『赤き龍の帝王』だ。以後よろしく頼む。これから共に戦う相棒、兵藤龍夜。……今代の…赤龍帝よ』
赤いドラゴンがそう言った瞬間に俺の頭が突然痛み出したと持ったら、何かが頭から飛び出してきた触ってみるとそれは……二本の角だった。
これがこの俺、前世の記憶を持つ転生者「兵藤龍夜」と遥か昔に封じられた伝説のドラゴン「ドライグ」との出会いであり、俺が今代の赤龍帝となった瞬間であった。
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