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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十五話 ロマーニャの街A
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魔眼で確認する限り、市街地への被害はゼロ。ネウロイは全機撃墜。
和音たちの完全勝利である。
「あれ、ルッキーニちゃん?」
しかし、無事故郷を守り抜いたルッキーニは倒したネウロイに等目もくれず、和音に「これちょっと持ってて!!」と機関銃を放り投げると、あっという間に町の広場へと急降下していってしまった。首をかしげる二人だったが、無言で頷いたシャーリーに諭され、黙って見守ることにする。
「ルッキーニさん、ウィッチーズだったんですね……」
「そうだよ、マリア。あたしはウィッチだから、みんなを守らなきゃ!!」
その言葉に、マリアは何故か俯いた。
「そうですよね……わたくしも、本来ならば皆を守らねばならないというのに、肝心な時に何一つすることができない……」
そんなマリアの様子を見かねたのか、ルッキーニはやおらマリアの背中に手を当てると、ひょいっと膝を抱えるようにして抱き上げる。――俗に言う、お姫様抱っこの姿勢である。
「あ、あの! ルッキーニさん!?」
「マリア、あたしのとっておきのロマーニャを見せてあげる」
言うが早いかルッキーニはマリアを抱えたまま飛び立った。あわててマリアは目をつぶってしがみつくが、おかまいなしにどんどん高度を上げてゆく。そして、ある一定の高さまで来てルッキーニは口を開いた。
「見て、マリア。これがあたしのロマーニャだよ」
「あ…………」
恐る恐る目を開けたそこにあったのは。
立ち並ぶ家々。歓声を上げて帽子を振る民衆。遠く見渡す限りのロマーニャの街。
美しいレンガ造りの町並みや、遥かな歴史を経た遺跡。煌めくアドリア海は宝石のように美しく、あれほどまで大きく見えた大聖堂すらも豆粒のようだ。
「なんて美しいのでしょう……」
翼無き人には生涯見ることは叶わぬ絶景。その身に魔法力を宿す戦乙女だけが見ることを許されたその眺めは、マリアの心を一瞬で奪い去った。
「ね? キレイでしょ、マリア」
「ええ、そうですね。本当に、とても綺麗……これが、ルッキーニさんの見ている景色なんですね」
自分の立つ大地がなんと小さいことか。この空の何と大きいことか。
そしてこの小さな大地に、なんとたくさんの人の営みが詰め込まれている事か。
「――ありがとう、ルッキーニさん。わたくしも、わたくしの成すべき事をします」
何かを悟ったような目をして、マリアは言った。
地上に降り、迎えが来たルッキーニと別れる時もそれは変わらなかった。
「バイバ〜イ!! まったね〜、マリア!!」
大きく手を振って遠ざかるトラックを見送る。彼女には彼女の居場所が、為すべきことがあるのだから。ならば、自分は――
「――殿下、こちらにいらしたのですか
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