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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十五話 ロマーニャの街A
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マーニャは美しい街ですね」
「……? どうしたんですか、急に」
ポツリと、流れゆく人々を見ながら呟いた少女――マリアの言葉に、和音は反応した。
「いえ、わたくしはこれまで自分の街がどんな街かをこの目で見た事すらありませんでしたから……本当に、もったいないことです」
「え、えーと、マリアさんはロマーニャの人なんです?」
ロマーニャに住む人間がロマーニャの街を見たことがないわけがない――
そう思っていた和音だったが、どうもそれは違うらしい。だとすると、この娘は何者だろうか? 入院中の患者か、はたまた孤児院の子か。
「ルッキーニさんと一緒に綺麗な街を見る事ができて良かったです」
「でしょでしょ!? やっぱりロマーニャはキレイだよね!!」
しかし、そんな細かいことをルッキーニは気にしていないらしい。
ガシッとマリアの腕を掴むと、グイグイ引っ張って行く。
「もう一個! もう一個だけ最後に見せてあげたい場所があるんだ。あたしだけが知ってる特別な場所なんだよ?」
「ほんとうですか!?」
「うん!!」
あまり遠くに行っちゃダメだよ、と和音が口を開きかけたその時、にわかに大通りが騒がしくなった。そして――
「――大変だ!! ネウロイだ!! ネウロイがこっちに来る!!」
息を切らして駈け込んで来た男性が、広場につくなり大声でそう怒鳴った。
たちまち広場は悲鳴と怒号に包まれ、街の人たちがあちこちへ一斉に走り出す。
「ネウロイだって!? いったいどうなってるんだ!!」
「しばらく襲撃はないんじゃなかったのか!!」
「さっき港に海軍の船がボロボロになって帰って来たんだ!! きっと奴らはここに来る!!」
「落ち着け!! 警報はまだ出ていないだろう。いざとなれば501統合戦闘航空団のウィッチたちが――」
荒々しい男たちの怒号にたじろいだのも一瞬。すぐさま和音の思考は切り替わった。そしてそれは、宮藤もルッキーニも同じだった。
「……ごめん、マリア。あたし行かなきゃ」
「え……?」
まるで彫像のように立ち尽くしていたルッキーニは、まるで自らに言い聞かせるようにつぶやくと、マリアの目を真正面から見つめていった。
「あたし、ウィッチだから!!」
「えっ!?」
「ロマーニャはあたしの故郷だから!! だから、護らなくっちゃ!!」
「る、ルッキーニさん!?」
そのまま駆け出していくルッキーニ。そこへ、まるで示し合せたかのようにシャーリーのトラックがやって来た。いざというときのため、トラックには各人のユニットと武装が積んである。それを使う時が来たのだ。
「みんな、こっちだ!! すぐにネウロイが来るぞ!! こっちから先制して相手を叩く!!」
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