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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十五話 ロマーニャの街A
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「ルッキーニちゃんが!?」
「いなくなったぁ〜!?」
息を切らしたシャーリーから事の顛末を聞かされた二人は、ついさっき買ったばかりの野菜と果物を抱えたまま思わず大声で叫んでいた。
「そうなんだよ。なんだか怪しい男の後を凄い勢いで追いかけて行って……」
「シャーリーさんでも追いつけなかったんですか?」
「わたしがはやいのは空の上だけさ。さすがにロマーニャでルッキーニと追いかけっこしたら勝てないだろうな」
お手上げだ、とばかりに肩をすくめてみせる。
たしかに、地理に詳しくすばしこいルッキーニを見つけ出すのは相当に困難だろう。加えて、ルッキーニが追いかけていったという怪しい男、というのも気になるところだ。
「とにかく、手分けして探しましょう。念のため隊長にも連絡を入れた方が……」
「いや、まずはわたしたちで探してみよう。案外すぐに見つかるかもしれないだろ? あまり騒ぎを大きくしたくないんだ」
ばさりと地図を広げると、三人は額を寄せ合ってどこに行ったのか見当をつける。
いかにウィッチとは言え、さすがに13歳の女の子の足ではそう遠くまでは行けはしないだろう。となれば、比較的大通りに近いところか、駆け込める店や広場のあるところだろうという結論に達した。
「よし、じゃあさっそく探してみよう。見つけたらその場で待機しててくれ。場所はここだ」
そう言うと、三人はそれぞれに散ってルッキーニを探し始める。
大通りを歩き回り、街角の人に聞き込みをし、これとおもった店を除く。ウィッチが街を歩いていれば目立つ筈なのだが、なかなかどうして足取りを掴ませない。ようやく目撃情報を掴んだ時には、太陽は徐々に西へ傾き始めていた。
「ああ、そのお嬢さんなら小さな女の子と一緒に広場の方へ走って行ったよ」
「ほ、ほんとうですか!?」
「もちろんだとも。君と同い年くらいの、髪を二つに分けていた娘だろう? ほんの五分くらい前の事だったと思うがね」
「ありがとうございます!!」
最初にそれを聞いたのは宮藤だった。髭を蓄えた紳士に礼を言うと、宮藤はもと来た道を駆け戻り、ロマーニャの中心部に位置する広場へと出た。待ち合わせにも多用されるこの広場は常に人通りが多く、その中から二人を探し出すのは困難だと思われた。が、しかし――
「あ、あの……本当にありがとうございました」
「いいのいいの♪ あ、それよりマリアってさぁ……」
聞き覚えのある声にハッとして振り向くと、そこにはパフェを食べながら談笑するルッキーニの姿があるではないか。
「ルッキーニちゃん、見つけた!!」
ようやくルッキーニを見つけた宮藤は勢いよく二人の下に駆け寄る。
「にゃ? どしたの芳佳?」
「も〜、探したんだよルッキーニちゃ
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