進むとはなんだったのか・・・
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る。よって、『まつろわぬ神』などというオカルトのことは、何一つ知らなかった。しかも、本当ならば怪我が治った時点で、記憶の操作などをされていても可笑しく無かったのだ。記憶の操作をされなかったのは、エリカが彼に対して誠実に応対し、本来ならば隠すべき世界の裏の事柄を話したからに過ぎない。一般的な魔術師ならば、記憶を操作して放り出して終了だっただろう。
この場合だと、護堂は自分が死にかけるような怪我をしたことすら忘れて、島の危険な場所をウロウロしていたかもしれない。
(まつろわぬ神は危険なんです。彼の近くにいるべきではない。・・・だから、あのクトゥグアを撃退することに成功したら、すぐに私もここを離れるべきでしょうね。・・・そうすれば、彼は日常に戻れる)
そう思考した瞬間、チクリと胸を何かが刺したような感覚がした。―――が、すぐに気のせいだと思い直す。
―――否。気のせいだと思いたいのだ、彼女は。
だから、この数十分後、彼女の前に彼らが現れた時、彼女は酷く苦悩していた。
もう一度出会えて嬉しい気持ちと、まつろわぬ性によって、彼を殺さなければならぬ悲しみに揺れ動いていたのだ。
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