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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
誰かを想うカタチ
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はない。どうやら彼女は私に一目惚れした様だが、辛辣だがその都合は彼女のものであり、私には関係がない。一目惚れを否定するつもりはないが、誰かと関係を持つということは、決してなんとなくなどという軽い気持ちでしてはいけないことだと、私は考えている。故に、仮に彼女と付き合うという結果が後に付きまとうのであれば、それはきちんとした段階を踏み、姫海棠はたてを理解し、そこから好意を抱き始めて行き着いたに過ぎないだろう」
「……つまり、はたてさんにはまだチャンスがあると?」
「チャンス、というには語弊があるかもしれんが、確かにはたては私が先程の理由を告げた上で、諦めないと宣言した。それならば、私達の繋がりはまだ何も変わってはいないと言えるだろう。それこそ、フっておいて何だが、私から彼女に申し出る可能性だって無い訳ではない。未来なんて所詮不確定要素の塊だからな」
シロウとの会話を続けていく内に、早苗の胸の内にあったもやもやは、僅かにだが消え去っていた。
結局、何が彼女の不安を煽っていたのか、彼女自身理解することは出来なかった。
だが、憂いに満ちていた表情は今や形を潜め、いつも通りの笑顔を取り戻していた。
それだけでも満足だと、今は納得することにした。
「それに、仮に付き合うとしても、そこから発展する可能性が無きにしもあらずな以上、居候かつ家に金を入れていない甲斐性なしでは、相手を幸せになんか出来ないだろうしな」
「そ、そんな!シロウさんは家事とか頑張っていますよ!」
「ありがとう。だが、だからといって主夫業に専念しなければいけない環境でもないのにその立場に甘んじているのは、流石にどうかと今回の件で認識させられたよ」
「……それって、つまりどういう事なんですか?」
「そうだな。手頃な仕事でも探そうかと思う。なんだかんだでこの家に男は私だけだからな。その唯一が働いていないなどとなれば、体裁も悪かろう」
「そんなこと――」
「何、悪いようにはならないさ。その分君には家事を任せてしまうが……私がいなくとも別段問題は無かろう」
そうではない。
周囲の評価とか、そういうものはどうでも良かった。
ただ、彼と共にいる時間が減るという事実が、単純に許容できなかった。
しかし、早苗の理性的な部分がそれではいけないとブレーキを掛ける。
彼の言うとおり、この判断は決して悪い方向へ傾くことはない。
それなのに我が儘を言って彼を引き留めたところで、自己満足で終わってしまう。
彼は優しい。だからこそ、少し粘れば先程の考えを捨てて今まで通りの生活に戻ってくれるという確信がある。
でも、それではいけない。そんなことで彼を縛ったところで、誰のためにもならない。
早苗は必死に欲望を呑み込み、笑顔で答える。
「そうですね。
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