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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
誰かを想うカタチ
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いじゃないですか、ロマンチックで。私も女ですから、そういった運命を信じる女性の機微には共感できる部分はあります。ですが、相手が問題なんです」
「相手って……彼のこと?何が問題なのよ」
一目惚れである為、こちらはエミヤシロウという存在の知識は客観的にしか知らない。
故に、私の知らない、それこそ答えることすら憚れるような悪意を彼が持っている可能性を一蹴することはできない。
そういう意味で彼女は聡そうとしてくれているのかと思った、が――
「そ、それは……と、とにかく!駄目なものは駄目なんです!」
答えはまさかのはぐらかし。流石の私もそれでは納得なんか出来ない。
「何よそれ。そんなで私が納得するなんて思ってないでしょうね?」
「納得して下さい!」
訳が分からない。と言うよりも、お話にならない。
「はぁ……。私はね、一目惚れとはいえ彼を好きになったこの気持ちに偽りはないと思ってる。彼の事を知らないのなら、これから知っていけばいい。相応の覚悟でこの場所に来たつもりよ。それなのに、そんな子供染みた煙の撒き方で引き下がれる訳ないじゃない。だいたい貴方は彼の何なのよ。色恋沙汰に干渉出来るほど大層な立場って訳でもないんでしょう?」
「わ、私は……」
先程とは打って変わって困惑を隠す様子もなく視線を泳がせる早苗と呼ばれた少女。
私は悪くない筈なのに、どうして罪悪感を覚えなければならないのか。
「とにかく、私は諦めるつもりはないから」
「……分かりました。好きにして下さい」
それだけ言い残し、早苗は淀みない動作で部屋から出て行く。
そのあまりの自然さに、止める間もなくただその影の差した背中を見送る事しかできなかった。
「――はぁ、なんでこんな気持ちにならないといけないのよ」
子供な理論を軽く否定しただけで、あそこまで動揺するとは思っていなかった。
それもその筈。最初の頃と今の彼女では、まるであらゆるものが反転したかのように違うのだ。
先程まで会話していたにも関わらず、どこかで人格がすり替えられたのではないかと疑うほどの変わりよう。困惑するなと言う方が無理だ。
まぁ、彼女は人間のようだから、外見年齢から察するに多感な年頃。これぐらい普通なのかもしれない。
そう自分を納得させ、私は文を探すべく部屋を出た。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
守矢神社の敷地をアテもなく彷徨う早苗。
その姿はどこか虚ろで、儚げな印象を植え付ける。
先程まで姫海棠はたてと言い争いをしていた彼女だが、その時の高圧的な態度とは打って変わって沈んでいる。
その理由は、彼女自身分かっていない。
エミヤシロウは東風谷早苗にとって、居候であり、少し意地悪だけどとても頼りになる男性、ぐらい
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