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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第三十三話
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ぇだろうな? もしそうならそのケツに二つ目の割れ目をこさえてやっぞ」

「……よく分からんが、女でそんな言葉は使うな」

 樹はよく状況が分からないが一応そう言っておいた。そして伊丹が「質問質問ッ!!」と手を挙げて自己紹介をした。

 対する女性はジゼルと名乗った。そしてロゥリィが主上――ハーディを嫌がる理由を聞いた。

「ロゥリィはかなりの強さだ。貴女一人でしたのですか?」

 樹はジゼルに聞いたがジゼルはニヤっと笑った。

「そんなわけないだろ。お姉様は強いさ。だがな、人質を取ればどうだ?」

 ジゼルはそう言って遥か上空から新生竜二匹が降下してきた。

「それは……」

「オレ独りだと互角。だがこの二頭でお前達を人質に取ればお姉様にだって勝てるんだぜ? 炎龍には劣るとはいえ竜は二匹もいるからな」

 その瞬間、加茂大佐はジゼルに見えないように砲兵隊に合図を出した。砲兵隊も気付かれないように動き出す。

 その間も伊丹とジゼルが話して新生竜は炎龍から産まれた竜だったり、ヤオがジゼルに怒ってジゼルに斬りかかったりしたりしている。

 なお、樹がジゼルに伊丹は炎龍を倒した猛者と言っていたりする。(というより伊丹に任せた)

「ハハハ、ヒト種でも面白い奴がいるもんだな。イタミヨージと……お前は?」

 ジゼルは樹に聞いてきた。

「……摂津樹だ」

「イツキとは眷属の契りを交わしたわぁ。この男はイタミと一緒に炎龍を倒した男よぉ。わたしぃは炎龍すら倒す男を伴侶にするというわけぇ」

 ちなみにこれはロゥリィのハッタリだ。

「そういう事か……やってくれるじゃねぇかお姉様」

 そして新生竜二匹は親の亡骸を見て叫んでいた。

「嬉しいねぇ。こんな奴がヒト種から出てくるとは思わなかったぜ。使徒になった甲斐があるってもんだ」

「このイタミとイツキ、わたしぃを相手にぃ新生竜二頭とあんただけで果たして勝てるぅのかしら? 新生竜は死ぬわよぉ」

「あん?」

 そう言ってジゼルは炎龍の亡骸の付近にいる新生竜を見た。

「へ、まだ死んでもいねぇ……」

 その時、二門の十加が新生竜に砲撃をした。九五式破甲榴弾は新生竜の腹を貫通して爆発。

 この貫通で二頭の新生竜は致命傷を浴びた。そこへ一式砲戦車等の七五ミリ砲も砲撃して新生竜を炎龍と同じように亡骸へと変えたのである。

「な……ッ!?」

 一瞬の事にジゼルは唖然としていた。

「こ、此れがイタミヨージの力というのか……」

「(いや違います)」

 伊丹は反論しようと思ったがロゥリィが「するな」という表情をしていたので言わなかった。

「ッ!? 大尉、下がって下さいッ!! ロゥリィもッ!!」

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