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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第8話 「ともあれ、大儀であった!」
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答えてくれないし……

「ええと……と、ともかく。匂い以外は問題ありませんので、お話をどうぞ」
「う、うむ……」

 若干引き気味の劉表が、頷く。

「ともあれ、今回のことで錦帆賊の残党は一掃された。しばらくは江賊も現れまい。その残党どもの処遇だが……」

 劉表はちらっと桔梗を見る。
 桔梗は、少し硬い表情のまま無言で目を閉じた。

「残党どもは全員打ち首。頭目も同様じゃ」
「「「………………」」」

 俺も、紫苑も桔梗も、無言で通す。
 この裁可を厳しいと思うだろうか?
 現代ならばそうかもしれない。
 人はやり直すことが出来る、そういう道徳的観念が発達した現代ならば、そういう思いもあるだろう。
 だが、ここは千八百年以上の昔。

 農民は竪穴式住居に暮らし、稲作も原始的農法で始まったばかりの時代。
 民主共和制どころか、立憲君主制などという立法形式すらまともに定まっていない時代。
 支配する側と支配される側という、両極端の立場しかない時代。
 そして命が食料よりも安い時代なのだ。

 ……まあ、一刀の作った世界だから、多少おかしくはなっているようだが。

「……正直、水軍増強の為に懐柔してはどうかという意見もあった」

 劉表が呟くように話し出す。

「だが、甘寧の件もあり、儂は江賊を信用できん。江賊どもも、儂に仕える気はないそうじゃ。当然じゃがな」
「……そうですか」
「今日の夕方にも全員の首を刎ね、長江に晒すつもりじゃ」

 そう言って、劉表は再度桔梗を見る。

「異存はないかの、厳顔よ」
「……ございませぬ。賊はそうなってしかるべきものゆえ」

 そう言って平伏する桔梗。
 俺は、その姿に桔梗の武人としての覚悟を見た気がした。

 たとえ、自身の(えにし)であろうとも、信賞必罰を以って事にあたる。
 今の桔梗は太守として……私人でなく、公人として他国の地にいる。
 ゆえに、公人としての立場での言動が求められる。

 彼女は……巴郡の太守なのだから。

「そうか……では、予定通り執り行う。この話はこれで終わりじゃ」

 そう言って、指示書に落款を押す。
 その書を文官に手渡して、その文官が部屋からでた時、全ては決定された。

 その間、桔梗は……ただの一度も顔を上げなかった。

「さて、次の件じゃ。なしくずしに黄忠が白帝城の太守になっておるが……あらためて聞こうと思う。黄忠よ、お主はこのまま我が下に留まるか?」

 劉表が紫苑に尋ねる。
 俺の策謀により、彼女は現在の白帝城太守となっているが、それはあくまで臨時措置。
 これからも白帝城の太守でいることを是とするならば、いろいろな問題となるだろう。
 だが、まあ……俺はその点
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