暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epic16星光と雷光は天壌を照らす〜The StaR〜
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ことだった。入浴途中のなのは達はすぐに出撃できず(当たり前だよね)、わたしにお鉢が回って来た。

「(せっかく綺麗にしたのに・・・むぅ)了解です。用意するから待ってて」

『すまないな。反応が1つなんだ。おそらく――』

「テスタメント、か。なのは達じゃキツイか。すぐに行くよ。魔力反応、逃がさないでね」

『ああ。判っている』

デスクの上に置いてある細い鎖を通した指環の首飾り――待機モードの“キルシュブリューテ”を手に取って、「行くよ」わたしはパジャマから騎士甲冑へと変身。部屋を出てエントランスのトランスポーターへ。その間にも『魔力反応はその場から動かない』って報告してくるクロノ。

「動かない? それって生物なの?」

『おそらく、としか言いようがない。とにかく急いでくれイリス』

「了解!」

そしてわたしはトランスポーターから魔力反応の在る現場へと直接転移する。海鳴市は陽が落ち始めていて、しかも現場は街灯の無い林の中だから急いで発見しないと。“キルシュブリューテ”を起動させ、いつでも戦闘行動に入れるように警戒。探し物は労することなく見つけることが出来た。狼の耳と尻尾を有した、スタイルの良い女の子――アルフが地面に横たわっていた。

「アルフ!?」

アルフに駆け寄ってみる。まず一番最初に目に入ったのはお腹に開いた穴。傷口からして魔法によるものだ。けど非殺傷設定の魔法じゃ付けられない傷。物理破壊設定で食らってる。完全な違法行為。魔法生命体である使い魔なら簡単には死なないけど、これを魔導師や一般人が受ければ致命傷だ。

「ううん。考えるのは後だ。こちらイリス。重傷のアルフを発見。ティファに連絡を」

『っ! 判った。すぐにティファレト医務官を向かわせる』

クロノはすぐに応じてくれた。ティファのことだからすぐには来ないかもって思っていたけど、ティファはすぐに来てくれた。肩に掛かるくらいの青髪。眠たそうに垂れ下がった黄金の瞳。局の制服に白衣を纏う、本局医務局トップの実力者。医療道具を入れたカバンをドサッと置くとすぐにアルフを診て、「これくらいならすぐ治せる」簡潔にそう告げて両膝立ち、横たわってるアルフのお腹に両手を翳した。

――べーテンハイル――

ティファの両手から溢れ出す黄緑色の魔力がアルフのお腹を中心に全身へ広がってく。見る見るうちに小さな傷は治っていって、お腹の穴も少しずつだけど小さくなってる。デバイス無しでこれだけの治癒魔法が使える。だから眠ってのサボり癖があってもクビにならない。ティファの魔力光が消える。アルフの顔色が良くなってるのが判る。ティファは小さく「ふぅ」息を吐いた。

「イリスお嬢。私が患者を運ぶ。だからカバンをお願い」

「勤務中はそう呼ばないでよティファ」

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