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無明のささやき
第十九章
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だ。全てが終わったのだ。急に拳銃が重く感じられ、指の力を抜くとそれはぽとりと落ちた。みんな死んでしまった。和子も南も、そして佐久間も。飯島は深いため息をついた。
 突然、竹内の骸がむっくりと上体を起こした。飯島は目を見開き凝視した。咥えた煙草がぽとりと落ちた。竹内は両手で顔をごしごしと摩った。ポケットをまさぐり、ライトを取り出すと、自分の顔を照らした。そして飯島に向かってにやっと笑った。
 背筋に悪寒が走った。鳥肌が立った。どうなっているんだ。これは現実だろうか。あれだけ銃弾を浴びて生きているなんて信じられない。背後で音がした。ごそごそという音だ。恐怖で引き攣った顔をおずおずと後方に回した。
 竹内が飯島の背後にライトを向けた。その瞬間、飯島は悲鳴をあげそうになった。章子が飯島の後ろに立っていたのだ。飯島は、目を剥いて体を硬直させた。その瞬間、後頭部に鈍い痛みを感じた。
 

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