第三話 厄介な状況
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エも落とされた以上、追えるのは私達だけよ」
アーモリーワンの警備にあたっていた二隻が撃沈したとの報告を受けた以上、動ける艦はこのミネルバしかなく、またセカンドシリーズと対等に戦えるのも現状ではこのミネルバのMS部隊しかいない。
そう思って、追跡の命令を下そうとした瞬間、艦橋への唯一の出入り口が開き、四人の人間が連れてこられる。
「ええ!?」
アーサーが叫び声を上げ、それを叱責、或いは突然の来訪者に対して文句でも言うべきかとタリアが振り返ると、そこにいたのは最高権力者二名とその関係者の二名だった。
「私のことは構わなくともよい。それより状況はどうなっている?」
一人はそんな事を言いながら現状を確認しようとしているプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダル。
「議長、構わないとか、そういうの無理ですから。むしろ他国の首相がいるので構ってください……」
もう一人は新型機ゲルググを開発した第一人者であり、二十代前半という若さで開発主任と赤服クラスのパイロット技能を持つ、最近になって議長のお気に入りと揶揄されているクラウ・ハーケン。
「いや、そのそう言ったことは気にしないでほしい。私としても現状は把握しておきたい」
クラウの反応に対し、気にする必要はないと擁護するオーブ連合首長国代表首長カガリ・ユラ・アスハ。
そして、その後ろで沈黙を続ける護衛のアレックス・ディノ。
厄介ごとが次から次へと、そうタリアは思いつつも、言うべきことは言わなくてはなるまい。
「現在、本艦は新型機を奪取した母艦であろう敵艦を追跡中です。ライブラリーに存在しない艦であり、識別も確認出来ないためボギーワンと名付けておきます。このボキーワンを追撃するか否かに関してですが、いかがいたしましょう?」
本来、艦長職というものは自艦における指揮権限が高く、同じ白服だった場合や黒服、赤服であった場合に上級階級扱いである白服を相手にすることになっても艦内での指揮権は優先されることとなる(尤も、ザフトの場合、階級制度でないため、そこまで厳密ではないのだが)。
とはいえ、流石に他国や自国のトップの人間に対してあれこれと命令する権限はなく、追撃するかどうかは二者に定められていると言っていい。
「姫、どうやら我々に判断が任されているようなのだが、私としては追撃に出たいのだが、姫としての意見を聞かせていただきたい」
「私としても戦争の火種を止めるために追撃に関しては賛成だ、議長」
「ありがとうございます。では追跡を頼めるかね?」
追撃の決定に色々と言葉に表せない感情が入り乱れるものの、職務を全うするために彼女は命令する。
「分かりました。御二方の寛大な処置に感謝を。―――本艦は、これより敵所属不明艦、ボギーワンの追
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