第三話 厄介な状況
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弾数も両方共に尽きかけている。
特にインパルスなどはソードで戦っていた時も含めてかなりのエネルギーを消費しているのだろう。こちらのエネルギー切れでの敗北の可能性は目に見えていた。
「―――仕方ねえッ、シン!俺が囮になってやる。その間にMS共を蹴散らせ!」
そう言った直後、シンの返事を聞くこともせずに機体を加速させ、一気に距離を詰める。
『えッ、マーレさん!?』
二機のダガーの内一機はこちらを迎え撃つつもりなのかシールドを構え、バズーカを乱射する。だが、狙いを絞り切れてないバズーカが当たるはずもなく、曲線軌道を描きながら回避し、ナギナタを出し、振り切ろうとする。
「さあ、こい!!」
しかし、俺はナギナタを振り下ろさず、あえて蹴りを入れ、後ろへと距離を取った。そして、一瞬前までいた所にビームとマシンガンが通り抜ける。MAとダガーの射撃だ。避けられたことで撃った方のダガーが一瞬動きを止める。
『今ッ、落ちろ!』
インパルスのビームライフルが撃ち抜いた。その様子を見て、他の機体も動きを止める。或いは回避行動を取ろうとする。俺は先程蹴って、バランスを崩していたダガーに対し、ビームバズーカを撃ちこんだ。
◇
「―――ッ不味いねぇ、こりゃ」
ガンバレルを搭載したMA、エグザスに乗っていたパイロット、ネオ・ロアノークは内心で舌打ちする。
(厄介な相手だとは思っていたが、ここまでとはな……)
元々、作戦時間を大幅に過ぎて、撤収してきた三人を見て、嫌な予感はしていた。少しでも長く足止めするためにネオ自身もエグザスに乗って敵を討とうとしたものの、逆にこちらの機体が迎撃されたのだ。
「おっと、そろそろ時間切れかな?敵の母艦が来ちまいそうだ。お前ら、撤退するぞ!」
『は、はい!』『了解しました……』
味方が討たれたことで精神的疲労が溜まっていたのだろう。残ったダークダガーのパイロット達は撤退できることに明らかな安堵を見せていた。
「ガーティ・ルー。聞こえるかい?今より撤退を開始する。敵の新造艦がこちらを追ってきているからな。一つ派手に見せてやろうじゃない」
『派手に、ですか?』
不敵な笑みを見せながらネオは自分の補佐官に作戦内容を伝え、指示していた。
◇
「インパルス、ゲルググ共に収容完了しました」
艦橋では忙しなく動いていく状況にタリア・グラディスは溜息をつきそうになる。
エネルギーの残量が既に少なくなっていた二機も無事に帰還することができ、とりあえずは現状を良しとすることが出来たと言えよう。
「艦長、これからどうするんですか?」
「どうもこうも、追うしかないでしょう、アーサー。ハーシェルもフーリ
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