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ヘンゼルとグレーテル
第二幕その一
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ええ」
「そして僕達を護ってくれていたんだ」
「お父さんとお母さんが来るまで」
「護っていてくれたんだよね」
「ええ」
「だからさ、グレーテル」
 ヘンゼルは素早く側にあった野苺を摘んでいきます。
「早く済ませて帰ろう」
「そうね、お母さんも腹ペコだろうし」
「ここはね、すぐに」
「うん」
「摘んで。帰ろう」
 二人はすぐに野苺を摘んでいきます。それが終わった時ヘンゼルはふと遠くに目がいきました。
「あれっ!?」
「どうしたの?」
「グレーテル、見なよあれ」
 そう言ってそちらを指差します。
「何かあったの!?」
「あれだよ、ほら」
「あれって」
「あそこに。見えないかい?」
「!?」
「家が。家があるよ」
「あっ、本当」
 グレーテルはそれを聞いて声をあげます。
「お家があるわね」
 見ればヘンゼルが指差した方にお家が見えます。そして何かいい匂いが二人のところにもやって来ました。
「この匂いって」
「チョコレートの匂いだよ」
「ええ」
「それにクッキーにケーキに。凄く美味しそう」
「あのお家からね」
「そうみたいだね。行く!?」
「ええ」
 グレーテルはヘンゼルの言葉に頷きましょう。
「行きましょう。若しかしたら」
「お菓子が一杯食べられるかも」
 二人は籠を持ってお家の方へ向かいます。見ればそのお家は普通のお家ではありませんでした。

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