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駄目親父としっかり娘の珍道中
第26話 親は子を叱れてこそ一人前
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ぐわない台詞。言葉遣いから分かると思うが、真選組の三人である。
 近藤は勿論の事、土方も沖田も、椅子に座り込んだ姿勢で銀時とフェイトの激闘をただ傍観しているのみであった。
 その余りにも場違いな対応には局員一同唖然と言う言葉以外見つからないのであった。
 しかも、唖然の言葉が似合うのはそれだけに留まらない。

「すんまっせぇぇぇん! ポップコーンおかわりぃ!」
「こっちも骨付き肉おかわり宜しく!」

 其処にはバケツ並の大きさのカップを抱えた神楽と、骨を掴んでいるアルフが料理の注文を行っていたのであった。
 しかも、双方共既に平らげた後らしく、神楽の持っているカップは既に空っぽだし、アルフの持っていた骨には歯型がビッシリと刻まれていた。
 
「いや、皆結構落ち着いてますね。何でそんな落ち着いていられるの? この世紀の大決戦を前にして」

 流石のエイミィもこの光景には驚きを隠せないらしく問い掛けてみた。余りにも考え方が違い過ぎるのだ。
 自分達はこの一戦の先にある黒幕を逮捕すると言う千載一遇のチャンスを逃さない為にもと必死になって戦いを見守っていたと言うのに、此処に居るメンバーときたら全く気にせず、寧ろ楽しんで戦いを見ている始末なのである。
 明らかな空気の違いに驚きは勿論疑念すら抱いていたのであった。

「何って決まってるだろうが、この戦いは万事屋が全てだ。俺達にはもう出来る事はないんだ。そうなったら俺達に出来る事は此処でドッシリと構えている事しかないんだ」
「今回は近藤さんの言う通りですね。僕達に出来る事はやったつもりです。後は銀さんに全てを任せるしかないんです」

 近藤に続き、新八もまたドッシリと構えていた。嫌、それだけじゃない。銀時と同じ江戸から来たメンバーの殆どが皆、その場にドッシリと構えていたのだ。
 その目線は皆同じ思いの輝きを放っていたのであった。

「皆……」
「正直こう言うのは癪なんだが、俺達はアイツが負けるなんて欠片も思っちゃいねぇ。だからこそ、俺達はこうして奴の勝利する瞬間を待っていられるんだ」
「銀ちゃんは負けないネ。どんな時でも、どんな奴が相手でも、銀ちゃんは余裕の笑みを浮かべて帰って来たアル。きっと今度もそうアルよ!」

 そう、誰もが銀時の勝利を確信していたのだ。誰一人として、坂田銀時が負けるなどとは口にしないのだ。
 不思議だった。普段からあんなだらしなくてチャランポランでもてる要素なんて欠片もなさそうな駄目人間にどうしてこんなにも大勢の人が集まるのか?
 ふと、回りを見てみた。其処に居たのは、何も江戸から来たメンバーだけじゃない。こちら側のメンバーも数名だが混じっているのだ。

「何度もアイツと戦ったから分かるけどさ。あいつなら、フェイトを助けてくれるって信じ
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