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王道を走れば:幻想にて
幕間+慧卓:童貞 その1 ※エロ注意
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よ!?あと、他の人を呼ぶ気になれなかったし・・・」
「は?」
「っっ、なんでもないっ!」

 拗ねるような口調で彼女はがつがつと夕飯を食べていく。慧卓は彼女の気持ちを汲み取り、改めて感謝の言葉を述べた。

「でも、本当に美味しい、嬉しいよ。俺のために此処まで美味しい料理を作ってくれてさ。お返しも今は碌に出来なくて悪いけど、ありがとう、実晴」
「・・・うん、どういたしまして・・・お返し、待っているからね」
「期待しといてくれ」

 二人は一つ笑みを浮かべ合うと、夕餉に舌鼓を打ち始めた。かちかちと時を刻む計りも無く、技術の髄を極めた投影スクリーンも無い、昔ながらの温かな一室での食卓。そこから発するは、心の芯から端々まで穏やかなものとさせる、和みの空気であった。。



ーーー回想、一時終了ーーー


「無茶苦茶いい子じゃないか!いいなぁ、みはるちゃん。俺もその子と知り合いになりたいなぁ・・・ってかケイタク。お前、酒場の店員みたいな事をしてたのか?」
「そ。しかもその時は食わず嫌いだったから、結構痩せてた」
「へぇ?つまりその子はお前の食改善まで気を遣ってくれたと。ますますいい子だなぁ。何でお前、その子を置いてこっちの世界に来たんだよ?」
「そんなの俺も知りませんよ・・・どうして俺、こっちに飛ばされたんでしょうね・・・?」
「んな湿っぽくなりそうな事聞いてもしょうがねぇから、だからさっさと続きを話せ。それでお前、やる事はやったんだろうな?」
「・・・まぁ、ちょっと時間はかかりましたけど」


ーーー慧卓の回想、実晴の家に泊まった、その日の夜ーーー



(なんだ、此の状況)

 夜の寄木市、古めかしい邸宅、就寝。此処までは良い。だが隣に市内随一といってもいいほどの可憐さを誇る美少女が、無防備な背中を晒して寝姿を見せている。それも同じ部屋、且つ、同じ布団の中で。息を漏らして身動ぎする声に慧卓が緊張を覚え、胸の高鳴りをより意識してしまう。
 風呂上りに実晴が妙に治艶な雰囲気を醸しながらこう言ってのけたのだ。『一緒に寝よう?』と。それからあれよあれよという間に時が過ぎ、今では同じ寝具の中に包まっている始末。背中越しに穏やかな息遣いが聞こえて、今では寝るどころでは無くなっている。

「起きてるか?実晴」
「・・・うん」

 ならば夜話で眠気が来るのを待とう。慧卓はついついと言葉を滑らせて、会話を続けようとする。

「今日はどうしたんだ?何時も以上に積極的でさ。結構俺、さっきも今も、胸弾みっぱなしなんだ。これじゃ落ち着いて寝れやしない」
「・・・私のせい、だよね」
「・・・そうとも限らない」
「え?」
「よ、ようは意識の問題だからなっ。相手の事を強く意識しちゃえば、自然と緊張するわけで、さ
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