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王道を走れば:幻想にて
幕間+慧卓:童貞 その1 ※エロ注意
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「い、いや。オフなのになんか気合入った格好してるなって」
「・・・どう?似合ってるいかな?」

 気恥ずかしげに指を絡ませて実晴は慧卓を伺う。
 其の質問、問われるまでも無い。清廉無垢な白を基調としたミニスカート。屈めば女性の神秘の領域が見えてしまいそうなほど、丈が短い。上着は牡丹の花を思わせるピンクとホワイトが交互に走る2ウェイデザインのカットソーだ。肩口から上の部分がばっさりと無くなっており、鎖骨を中心として女性の可憐さと色気が出ている。チェーン型のループタイもまたポイントだ。女性の可愛さを一点に出すように選ばれた服装は、見事に実晴の素質、飾り気を帯びない真っ直ぐな美貌を引き立てていた。
 衣服と容姿の調和もさる事ながら、それ以上に慧卓の目を惹いたのは髪型、そして彼女の表情だ。自然のままに伸ばされた癖一つない綺麗な長髪が、頸の近くで一つに束ねられている。そして常はくるくると移り変わるその表情は、今日この時に限って、仄かに傾げながら期待でやきもきとしたかのように、秀麗な微笑を湛えていた。
 それらを評する言葉、唯一つにおいて他はない。

「可愛い」
「ほんとうに?」
「う、嘘なんかいうもんかよ!凄い可愛い!本当に、今までの中で一番、似合ってる...」
「・・・ありがと」
「お、おう・・・どういたしまして」

 無邪気に赤みを帯びた笑みを向けられ、此方側まで恥ずかしくなったか慧卓は視線を思わず逸らしてしまう。両者の頬はそれぞれ喜びと、羞恥に色を帯びてた。
 喜色の思考から、実晴が復活した。

「さっ、さぁ慧卓、早く中に入って!やってもらいたい事があるんだからね!」
「あっ、ああ」

 恥ずかしげに室内へ上がる慧卓。玄関の靴箱にはラクロスのラケットが立て掛けてあり、使い古しているのか、多少傷の粗さが目立っていた。
 実晴は右側一つ目の襖を開ける。其処は実晴が何時も一人で食事を取る、六畳一間の部屋。畳にウッドカーペットを敷いてテーブルと椅子を置いている。床柱や小さなシャンデリラが何処となくレトロな雰囲気を漂わせており、宛ら昭和の世界である。
 隣の部屋との襖が取り払われており、四畳半の部屋が見えている。其処に慧卓は連れて行かれ、ござの座布団の上にどかっと座らされる。目の前には、しかめっ面をした厳しい顔つきの鎧男を映したスクリーン。もとい、年代物の液晶薄型テレビと、時代にそぐわぬゲーム機器が置かれている。そしてスクリーンの中、燃え盛る炎を帯びて、『Age of Kingdom U』の文字が黒々と輝いていた。

「はい、じゃぁ此処に座ってね」
「・・・なぁ、実晴。俺を呼んだ用事ってーーー」
「それじゃ、このゲームの、えっと、此処の面クリアしといてね。私は夕飯の準備をするから。あっ、あんまり強くし過ぎちゃ駄目だか
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