幕間+慧卓:童貞 その1 ※エロ注意
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「へぇ・・・んな事がねぇ」
「流行ってんのかな。その張方ってのは」
「分からないな。今度娼婦の姉ちゃんにでも聞いてみるよ。『震えるタイプの張方って流行ってんのかって』」
「顔をおもっくそ叩かれそうな質問だけど、大丈夫なのか?」
「平気平気。俺そういうのには慣れてるから」
慧卓とミシェルはそのような砕けた会話をする。夜の静けさや暗さとは無縁な、明るい蝋燭の火が燭台から放たれていた。
今の慧卓は、熊美との買い物の帰り道を歩いていた所を偶然ミシェルに見付けられてそのままずるずると引っ張られて、彼が泊まる王国軍の宿舎に連れ込まれた格好であった。王都に無事着いた事だし、腹を割って話そうという事らしい。会話中、慧卓はタメ口で話す事を強制されていた。年上に敬語もなしに話すというのは中々無い経験であるため、最初は戸惑っていたが、ミシェルが女性遍歴における失敗談を語りそれを笑うという事を繰り返すうち、そのような遠慮は取り払われていた。ちなみに熊美は購入したものを一切合財抱えて、宮廷に戻っている。王女を説得しておくという言葉がとても頼もしかったのが真新しい。
兵舎の中は宮廷よりかは若干汚いが、しかしそれでも十分に清潔でどこか男臭ささが同居していた。慧卓は此処の一室、ミシェルとパックの部屋に、一晩寝泊りをしようという心算であったのだ。
「ケイタクも連れてってやろうか?俺等が通う娼館に。もう自由に外出してもいいんだろ?」
「まぁ確かに王宮の外に出てもいいんだけどさぁ・・・で、でも、娼館ってのは・・・」
「・・・もしかしてさぁ、ケイタクって童貞か?」「なっ!ち、違うって!一応これでも俺の世界には恋人いたし!」
「へぇ、そうだったんだ。聞いたか、パック?」「・・・うるさい。今集中しているんだ」
硬いベッドに横たわりながらパックは無言でバッジを研磨している。また新しくコーデリア王女を描いたバッジを製作しているらしい。鋭利な槍のように鋭く、しかし少年のように無垢な瞳は、職人のそれと何ら変わりようが無い。
甘党なだけでなく手先も器用な同居人を誇らしく見た後、ミシェルは肝心な事を聞いてきた。
「んで、その恋人とも一線を越えたりしたのか?」
「ああ。一応何度かしてる」
「・・・ちょっと馴れ初めとか聞かせろよ。面白そうだしな」
「ええっ?さ、流石にそれは恥ずかしいんだけど・・・」
「いいじゃねぇか。恥なんて減るもんじゃねぇし。それにな、男と仲良くするには先ず下ネタから入るってのが、真の仲良しのための道だ。だからよ、そんな純情めいた心なんて捨てろとまではいかないけどよ、大っぴらに出すのはやめとけ。悪い大人に付け込まれるかもしれないからな」
「例えばお前なんか」「横槍入れんな、パック!・・・んで、どうなんだよ。どんな事をシたんだよ?」
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