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王道を走れば:幻想にて
幕間+コーデリア、アリッサ:おやつはいかが? 
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尋ねる。

「コーデリア様。アリッサさんが知ってるって事は、あの人は食べたんですよね?コーデリア様のアップルパイを」
「ええ。一年ほど前に一度、あげた事があります。私の父のために作ったものが余りましたので、アリッサに分けたのです。・・・そんなに美味しいものだとは思ってはいませんでしたが」
「絶品だって言ってましたよ。凄く感激した様子でした」
「大袈裟ですよ。私はそこまで料理が得意な訳ではありませんし、趣味程度でしたから。・・・あっ。もしかして、ケイタクさんも食べたいのですか?」
「ええ。ですから料理の材料を此処で集めて、作っていただけたらなぁって」

 偽らざる本心から出た言葉に、コーデリアは困ったように眉を垂らした。虫が良すぎる話とは分かってはいても、料理をすれば少しは気が晴らせるし、何より今は日本でいう休日に相当しても良い日である。こんな日まで肩肘張って地位を誇るのは疲れるし、趣味程度であるのにアップルパイを作る程だ、味もさぞや期待できる事だろう。無論慧卓にとって後者が本音である。
 王女は逡巡した様子を見せたが、ややジト目となりながら観念の返事を出す。

「・・・いいですよ。作ります」
「本当ですか!ぃよっしっ!」
「そのかわり!」「・・・はい」
「一緒に作るのを手伝って下さい。一人でやるには時間や手間が掛かりますから」
「喜んでお手伝いします!では、早速買い出しに行きましょう」「もう、子犬みたいに喜んじゃって・・・」

 二人はそう言って、地位を感じさせぬ軽やかな雰囲気で、まるで同年代の若い男女の親しさで道を歩いていく。王女の衣服が明らかな高級の毛織物であるためその独特の高貴で清楚な雰囲気が出ているのだが、街の通行人が彼女が貴い身分の令嬢であると理解するには幾秒か掛かっている様子であった。どう見ても平凡そうな黒毛の男性と連れ添う様が第三者の視点から見て、余りにも自然過ぎたという事なのだろう。
 通りの左右に展開する露店や、或は商店の中へと入って商品を物色し、必要そうなものはその都度、必要な量だけを購入する。布袋二つ分ほどの手荷物を持ちながら道を歩いていくと、真向いから熊美の大きな姿が見えてきた。逞しい体格であるから遠目から見てもすぐに分かる。
 熊美も此方に気付いて挨拶をした。

「あら、慧卓君。また会ったわね。・・・それにコーデリア殿下も。御二人でどうされたのです?」
「あ、クマミ様・・・えと、これには訳がありまして」
「ほぉ。つまり異性の方と逢引という訳ですかな?では御邪魔虫は喜んで消える事と致しましょう」
「ち、違います!逢引だなんてそんな訳じゃ無いんです!こ、これはあくまで買い出しでして・・・」
「コーデリア様、焦り過ぎです」「誰のせいだと思っているんです!」

 ちょっと声を低めて言う辺
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