幕間+アリッサ:酔いどれの悪夢 その1
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抵抗するからこうなるんだよ。身の程知らずが・・・おいおい。てめぇのせいで服に血が付いたろ?これも貰っておくからな」
「そ、それだけはそれだけは勘弁してくれっ・・・!金は持っていっていいがっ、その指輪だけは!」
「うっせぇなぁっ!離せよてめっ!爪が肉に食い込んで痛いんだよ!」
諍いの傍へとアリッサは俯き加減で歩いていく。飛んできた男の肘をひょいと礼をするように回避すると、軸足を滑らせて、浮いた片足を一気に天に伸ばす。軍靴がチンピラの横っ面を強打した。
「ぶごっ!!」
痛々しい声を残して男は昏倒する。倒れていたひ弱な男は、据わった目をしたアリッサに感謝を述べる。
「あ、有難うございます、旦那!御蔭で、あっしの大切なもんが奪われずに済ーーー」
「しぇぇぁっ!」
怪鳥のような足払いが男の顎を蹴り付けて、失神させる。アリッサはひっくと喉を鳴らして冷たい地面に寝そべる二人を見比べた。
「・・・人違いか・・・まどろっこしい」
目的の男ではないと知ると、アリッサはまた俯き加減で道を歩いていく。そうしていると戸が開かれた一軒の宿屋が目に入った。中に入ると、やさぐれた感じの女亭主が迎えてくれる。
「いらっしゃい。どの娘とやりたいんだ、綺麗な嬢さん?あ、一応うちは男の子もいるけど」
「おい、店主。さっきここに浮浪者が入ってこなかったか?無精髭を頬に生やした、小汚い男だ」
「ああ?それなら二階の三号室に入ってったよ。なんだ、あんた複数でヤルのが好みなのか?好きだねぇ」
「三号室か・・・宿泊代はその男にツケておけ」「あいあい」
アリッサは危うさを感じさせる足取りで階段を上がった。廊下を歩いていくに連れて奥の一室から、昂ぶったような嬌声が漏れているのに気付く。
『アアっ、んああっ、オウ、イェアアアっ!凄くイイっっっ!!』
「イェエエアアアアっ!!!」
怒りのままにアリッサは廊下を駆け出し、扉を一気に蹴破った。蝶番諸共扉は前のめりに倒れ、寝台の上の一方的な攻防を露わとさせた。後ろに手を縛られたほぼ全裸の男が、異常なまでに際どい恰好をした女性に鞭を叩かれている。隆起して下着からはみ出した一物の先端を見るに、男は随分と興奮しているらしい。
ぼつぼつのある尻を赤くなるまでやられて歓喜する男は、アリッサが探し求めていた男であり、入口の騒がしさに目もくれず只管に叫んでいた。
「ハッハアッ!もっと叩けぇぇっ!どうした、女ぁっ!もっとやりまくれぇっ!ヒャァッ、それだよ!もっと鞭を振れぇっ!」
「ンンっ、これがいいのかいぃ!?どうなんだいっ、こうやってやられんのが好みなんだろぉ!?」
「ッハァッ!そう、それだ!やっちまえぇ!もっとだぁっ、もっとケツをぶちまくれぇぇっ!」
「オッラァッ!」
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