幕間+アリッサ:酔いどれの悪夢 その1
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んだ。男らは互いを一度見合った後、無言のうちに意気投合して立ち上がる。座上のアリッサを囲む形をとった男らは、獣欲を微塵も隠さずに言い合う。
「いいねぇ。胸は小さいがケツは好みだ」「おぼこだったら最初は面倒だぜ。そのうち反応しなくなるからな」
「見た感じ、かなり身分の良い女だな?俺、こういうやつを犯すの初めてだわ」「俺もだ・・・もう女なんて何年も抱いてねぇ。石みてぇな枕しか抱いてねぇんだ」
「おい、起きてるか?ちょっと頑張るだけで、無料で女とやれるんだとよ。避妊なんて考えずに、だ」「ああ・・・くそったれ。あの豚デブ、何時の間にあんなに強くなったんだ・・・。この鬱憤はどうにかしねぇといけねぇなぁ」
最後の言葉は先の喧嘩で打ちのめされた男のものだ。子豚な男は店の端に避難して、怯えた視線で成り行きを見守っている。この店内にアリッサの味方は存在しないのだ。
「っていう訳だ。見た感じ処女の姉ちゃん。泣き言なんて言わせねぇからよ、今日から明日の夜まで、たっぷり遊ぼうぜ?」
「そうだよ。レイプして輪姦すだけだぜ?精子を上下の口で飲めるっていうから、ほとんど御褒美だろ?」
「げっははっ!お前、正直に言うんじゃねぇよ、チビったらどうするんだよ!」
「・・・誰だ」
「あァ?」
「誰が盗った?答えろ!」
獅子の如き凛々しい声で、アリッサは問う。背中を向けたまま、席に座ったままであるのに、男らは彼女よりひしひしと揺るぎない激情を感じていた。カウンター越しの店主が表情を一変させて、ゆっくりと後退りして酒を置いた棚に背を預けた。
粗野な男の一人が、苛立った口調で背を向けた獅子に近付く。
「何ほざいてんだよ、てめぇ。さっさとこっち来いってーーー」
男がアリッサの右肩に手を置いた。瞬間、アリッサの左手が男の手を掴んでぐっと引き寄せて、右肘が男の腹部を強打した。激烈な衝撃に男は苦悶して、立ち上がったアリッサのグリーブ越しの鉄拳を顔面に受けて鼻を叩き折られ、意識を失った。
包囲網にゆらりと動揺が広がった。鬼気迫った様相をしながら、アリッサは下卑た者達を睥睨し、咆哮する。
「誰が盗ったぁぁっ、私のものをぉぉっ!!」
「お、おい、こいつやべぇぞっ!?」「馬鹿じゃねぇのか!誰だよ、こんなガサツな女を酒場に呼んだの!?」
「もう構わねぇ!お前等、ナイフ出せ!こいつをぶった切っちまえ!!」
先程までの余裕を失った男らに向かって、アリッサは吶喊する。どよめきの渦中へと入るとほぼ同時に、拳や蹴りの連打が炸裂していく。
「おらァァッッ!!」
店内に猛々しい蛮声が響き合い、人や椅子、机、杯、皿などが飛び交い始めた。次々に殴り倒され悶絶する軟弱な男達を尻目に、アリッサは酒でハイになった頭で獲物を狙って店内を蹂躙する。
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