幕間+アリッサ:酔いどれの悪夢 その1
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繁盛に終わる祭りの後に、がっつりと流れ込んでくる謝礼ってやつを」
「最初の出費こそ痛いがな、リターンは莫大だ。街全体をひっくるめて、馬鹿共の財布をばしばし叩くんだからな。何を遠慮する必要がある?やるべき時にやるのが、商人ってモンだろ?」
「・・・・・・」
「黙ってちゃ分からねぇよ?どうした、おい」
「・・・わ、分かった。仲間の商人達には俺から話を通そう。その代りだ!」
「うっし、じゃぁ次行くか!」「そだな」
「お、おいっ。俺の話をっ・・・」
「大丈夫だって。あんたは祭りに店を出す事に合意した。それだけだろ?」
唖然としたような顔付となった男を放置して、二人は窓をぱっと開いて外界に飛び下りて、茂みに着地する。館に入って来た時は素直に正面の門を通ったのだが、説得が通って気分が良いのでノリで飛び下りてみたのだ。上階でぴしゃりと窓が閉められる音にほく笑みながら、二人は悪戯を仕込んだ少年のような表情で表通りに出る。そこに、通りの反対側から駆け付けた一人の仲間が加わった。彼もまた王国軍の兵士である。
「よう。どうだい、他の奴等は」
「大抵の奴は協力してくれるってよ。乗り気じゃない奴もいたが、お前の言う通りだ。ちょっと脅してやればすぐに首を縦に振ったよ」
「いやぁ、商人ってどうしてどいつもこいつもゲスが多いんだかねぇ」
「しょうもねぇ事しか出来ない人間だからだろ?だから、しょうにん。ハハハっ、なんつって、ワッハハ」
『・・・』
「申し訳ありまへん」
『よし、許す』
ミシェルの馬鹿馬鹿しい親父ギャグを許した後、三人は肩を並べて通りを謳歌する。真夜中の街路には人っ子一人、野良猫一匹も見当たらない、無人の道と化していた。空白の道を占拠するかのような支配的な感じがして、説得の成功により満足感あふれる現状も合わさって、非常に素晴らしい気分であった。隣の民家で誰かが寝ていなければ、今すぐに足で小刻みに踊りのようにステップを踏みたいくらいである。
慧卓の突飛な発想より、三人はロプスマの夜に蔓延る商人らに接触し、明日の祭りに参加するするよう当たっていた。彼らの他にも、主にミシェルとパックに友誼を持つ者達が街中を駆け巡っているため、説得は一夜中に終了する予定である。実際の所、祭りで何が起こるのかは全く想像だにしてないのだが、その辺りの所は商人らに一任して大丈夫だろう。大金が動くと聞けば目敏い彼らの事、何が一番大事で優先されるべきかすぐに把握出来るからだ。
「それよりさっきの男の所から凄いのせしめてきたぜ。おい見ろよ、これ」
途中から合流してきた男がそう言って、懐からとんでもないものを取り出した。隆起した男性器と言ってもいい、木製の一本の張方であった。大きさは七尺ほど。十分に立派な一物であった。
「うわ、なにそれっ!?す
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