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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第16話
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。どさりとスターキメラの体は地に落ちた。
(……勝った)
ハルカは剣を鞘に収めた。
そして廃墟と化したドムドーラを歩く。

魔物は砂漠にいる魔物より強かった。
ハルカは考えながら戦ったり、時には戦わずに回避したりもした。
しかし、ドムドーラには、情報を得られるような物はなかった。
ただ、妙に不自然に、枯れかけているのに、倒れる気配のない大木があった。
(変な気配がする……しかし、今は……)
メルキド方面へ行こう、そう考えた。
ハルカはルヴァシドは倒したが、気分は晴れないままであった。
そこで先に進もうと決めたのだ。
ハルカはまたここに来るであろうと思いながらも、ドムドーラを後にした。

ハルカはひたすらメルキドを目指す。
魔物も強くなってきたが、ハルカも負けてはいない。
絶対に、という気持ちが強いのだ。
絶対にメルキドにいく、絶対に負けない、絶対に竜王を倒す。
時には血眼になってメタルスライムを追いかけたりもした。
たまたま一匹だけ会心の一撃で倒せはしたが、あとは逃げられてばかりだった。
メタルスライムは固く、素早い。臆病なのかすぐ逃げるのだ。
逃げられるたび、ハルカは一瞬悔しがるが、大人気ないと念じて心を落ち着けるのだ。
そしてキメラ族の新たなる敵、メイジキメラ。
ハルカが攻撃してもべホイミで回復するのだ。しかしハルカは負けじと斬りつけた。
「僕は負けるわけには行かないからな」そう言いながら。

とある夜、ハルカは野宿に最適な洞穴を見つけ、休むことにした。
そして久しぶりに“王女の愛”を取り出す。
「ハルカ様!」
ローラ姫の可愛らしい声。生で聞くより少し幼い気がするが、それもまた好きだ、とハルカは思う。
「よかった。順調なんですか?」
「ええ。何とか。明後日にはメルキドに着きますよ」
「そう。危なかったら戻ってきてくださいね……。私、ハルカ様のあの傷ついた姿、初めて見て……」
一瞬、鼻をすする音が聞こえた。泣きそう(いや、少し泣いているのか?)な感じである。
「……すみません。僕の配慮不足ですね」
ローラ姫を悲しませてしまった。と、ハルカは反省する。
「いえ。ハルカ様があれほど大変な戦いをなさっているんだと改めて知りましたわ。それなのに、私は……非力で、威力の弱い攻撃呪文しか扱えなくて……。少しでもハルカ様の……戦いの力になれれば……良かったのに」
「僕は十分に貴女に元気を貰っています。傷ついた僕を必死で癒そうとしたでしょう?何度もベホイミをかけたというじゃないですか。僕はそれだけでも嬉しいのです。それより貴女を危険な目に合わせないことが、僕の願いです。だから、気になさらずに。僕の無事をお祈りするだけでいいのです。……僕は貴女がいてくれて、本当に良かったと思ってますから」
ハルカ
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