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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第15話
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のステーキをしっかり噛み締めながら肯いた。

夜のこと。ハルカは眠れないでいた。
(……なんだ?不安が……苦しい?いや、僕は……)
ドムドーラのことが頭をよぎる。生まれてラダトームにたどり着いて、それ以来そこへは一度も行っていなかったのに。
(記憶がないのに、……なんで。やはり僕が生まれた場所だから?)
涼しくなったと言うのに、寝ようとすると汗が流れる。
(寝なきゃ……)
ハルカは何とかして布団にもぐりこみ、朝が来るのを待った。

無理矢理眠りにつかせた体で、ハルカは起き上がる。
気分は重いままである。
(何だか悪い夢を見た気がする)
よくは覚えていないが、血は見た気がする。たくさんの獣を見た気がする。
「大丈夫か、ハルカ」
「ええ。大丈夫です。行かなければいけない場所ですから」
イアンの心配に、ハルカは笑って応える。
逃げることは許されないから。どうしても行かなければならないから。
なるべく顔に出さないようにはしているが……。
「……気をつけていけよ、ハルカ」
「解ってますって」
ハルカは剣を腰に下げ、魔法の道具袋を腰につけ、盾を装備した。
胸に下げている竜の鱗は少し汚れていたが、昨晩にサユリが磨いてあげたため、少し綺麗になった(それでも無数の小さな傷が残されている)。
「……行ってきます」
「ああ、生きて帰って来い」
「はい」
イアン達の前では笑顔としっかりとした足取り。
しかし、町を出ると足取りは重くなる。

しばらく歩いていくと、かつて立ち寄ったスライム一家のいる村に着いた。
旅立って翌日の昼。
「あ、勇者のお兄ちゃん!」
スライムの女の子が叫んだ。「元気ないね」
「ああ。ちょっとね。僕は大丈夫だから」
「ぼくね、風の噂で聞いたんだよ!勇者のお兄ちゃんがお姫様を助けたんだって!」
目を輝かせながら、スライムベスの男の子が叫んだ。
「ああ。そうだよ」
ハルカはスライムの子供達には心からの笑顔をするようには心掛けた。
「私もあなたの噂を聞いてます。あなたなら、きっと竜王を倒してくれるでしょうね」
スライムベスの母親が笑顔で、体を震わせながら言った。「草餅、あげますね」
「ありがとう。今回は休憩に立ち寄っただけなんだ。しばらくしたら僕は行くね」
「無事でいてくださいね。きっとあなたが選ばれし勇者でしょうから」
スライム家族から再び草餅を貰い、短い休憩を過ごした。
(このスライムたちも、無事でいて欲しいな)

ハルカは何日も歩き続けた。
魔物と戦いながら、トヘロスを唱えながら、聖水を振りまきながら、休憩をしながら、食料をいただきながら、ローラ姫と“王女の愛”で会話しながら。
疲れはホイミと食傷で過ごした。魔力は少しの休憩で少しずつ補った。
そして、砂漠地帯へと足を
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