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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第15話
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から立ち直りつつあるかもしれませんから……」
二人は穏やかな笑みになる。ひと時の安らぎ。ローラ姫のベホマラーの効果かは定かではないが(気持ちの問題なのかもしれない)。
「ハルカ様、次はどこへ行かれるのです?」
「メルキド方面ですよ。あちらの方には洞窟のある地点から南に行ったことはありませんからね」
「まあ、遠いでしょう」
ハルカもローラ姫も、メルキドは遠いと感じる地点にある。その途中には……滅ぼされた町、ドムドーラがある。
「ええ。でも行かなければ。大丈夫です。時々、貴女に連絡しますから」
ハルカはそっとローラ姫を抱き寄せる。
「お願いしますわ」
ローラ姫はハルカの腕の中で、幸せそうに、少し心配そうに微笑んだ。

ラダトームからメルキドまで、徒歩で最短でも2週間はかかる。途中で砂漠もあり、危険な旅である。
もちろん解っているハルカはラダトーム城下町で多くの食料、水、保険用のキメラの翼を購入した。

夜はイアン一家の家に一泊することにした。
当然ながら、イアン一家からは心配の声が聞かれた。
「でも、行かなければダメなんだな」
「ええ。あちら方面に足を運ばないと、ロトの勇者の“証”も手に入らないですし」
「心配です。メルキドまでの地方の魔物って、本当に強いと聞きました」
サユリはいつもの通り、ハルカのために保存食を作ってくれた。
「僕も聞きました。……あのドムドーラにも行かなければならないでしょうね」
ハルカにとって、とても辛い言葉、ドムドーラ。
ハルカは知っていた。自分が生まれた場所はドムドーラだということを。実の母親からの手紙で、自分の出生のことも書かれていたからである。
「……ハルカ、ルーラを覚えているといったな。危険を感じたら、一旦ルーラでここへ逃げ込むことを考えろ。俺がお前ならそうする」
「ええ。僕もそうします。ルーラはコストが高いですから、考えないといけませんが」
「そう!ルーラって、特殊な呪文って私、聞いたことあるわ」
「覚えている人も多くないですからね。便利な呪文ですから、あまり使いすぎてもいけませんし。僕も、使う時は考えて使うようにはしてるけど」
ルーラはあまりにも便利すぎる呪文だ。今までいったことのある場所なら数秒でいける。しかし、それ故、制約もそれなりにかかる。魔力のコスト、習得可能者の制限(ハルカは覚える資格があったと言うことだ)、そして使いすぎによる疲労。それはハルカも解ってはいることだった。
なお、ルーラの前段階としてハルカは浮遊術を使っていたが、それは取得のための練習の一つのしてみなされる。とある賢者は浮遊術が使える地点で、ルーラを覚える資格があると言うことだった。
「とにかく、俺達はお前の無事を祈っている。旅立ちからずっとだ」
「……ありがとうございます」
ハルカは夕食
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