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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十四話 ロマーニャの街@
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していく。

「えっと……食材は宮藤達で、わたし達が買いに行くのは……」

 ポケットから取り出したメモ帳を目で追おうとしたその時、ルッキーニがシャーリーのジャケットの裾を強く引っ張った。

「どうした、ルッキーニ」
「シャーリー!! あそこ!!」

 強い口調で言うルッキーニの視線の先をみると、そこには一台の高級車が停まっていた。
 滅多に見かけるものではないが、それがどうかしたのだろうかとシャーリーが訝しんだ時だった。

「あっ!! アイツら!!」
「誘拐だ!!」

 いきなり車のドアが開いたかと思うと中から一人の女の子が飛び出してくるではないか。さらにその女の子をスーツ姿の男性が3名ほど追いかけている。必死に逃げる女の子の表情からは危機感がありありと感じられた。

「わたしのロマーニャで好き勝手なことさせないんだから!!」
「あ! こら待てルッキーニ!!」

 言うが早いか、ルッキーニはまるで猫のような俊敏さで道路を横断し、女の子が走って行った路地の奥に入ってしまう。あわてて後を追いかけようとするシャーリーだったが、ちょうどそこへ荷物を満載にしたトラックが通りかかり足止めを食らってしまう。ようやく横断できるようになった時にはもう、ルッキーニも女の子もどこにも見当たらなかった。

「これはヤバいぞ……!!」

 どうにも不穏な事件に首を突っ込んでいるらしいことを直感したシャーリーは、急いでトラックへと取って返す。とりあえずルッキーニを追わなくては話にならない。もう買い物どころの騒ぎではなかった。

「宮藤達はどこだ? アイツらにも手伝ってもらわないと無理だな……」

 何しろロマーニャは広い。加えてルッキーニの故郷なのだ。家の庭も同然に勝手を知り尽くしているだろうことは想像に難くない。探すのは骨が折れそうだった。
 己のカンだけを頼りに走り出したシャーリーは、嫌な予感に胸騒ぎが止まらないでいたのだった――

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