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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十四話 ロマーニャの街@
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だから501共用のラジオを買おう。最近はナイトウィッチ同士のラジオが流行っているらしいからな」

 と、これは坂本の希望。個人での買い物は特に無いようである。

「お菓子!! お菓子がいい!!」
「お前に必要なのは目覚まし時計だろうハルトマン!!」

 お菓子を所望するのはエーリカで、頑として却下するのはバルクホルンだ。
 苦笑いしつつ、和音はメモ帳に確認の希望をまとめていく。宮藤は厨房に戻って食材の確認をしているところだった。表ではシャーリーがトラックをガレージから出してきている。

「ピアノ! ピアノがいい!!」
「……エイラ、それはいくら何でも無茶なお願いよ」

 確認の細かい要求を何とか書き留めると、表から大きなクラクションの音がした。

「おーい、こっちは準備できたぞー!!」
「やっほー!! わたしのロマーニャ!!」

 窓から身を乗り出すルッキーニを危なげなく引き戻しながら、シャーリーが手を振っている。
 メモ帖をポケットにねじ込むと、ちょうど厨房から出てきた宮藤と一緒にトラックへ向かう和音。なぜかリーネが心配そうな顔でこちらを見ていたが、和音は特に気にしなかった。

「楽しみだね、和音ちゃん」
「そうですね。わたしもロマーニャは初めてです」
「さぁて、しっかり掴まってろよ二人ともっ!!」
「いっけぇ!! シャーリー!!」

 やがて二人を乗せたトラックは勢いよく発車し、見る間に小さくなっていく。
 安全運転とは程遠いハンドルさばきに一抹の不安を覚えつつ、坂本らは和音らを見送ったのだった。






 ――ロマーニャ市街

「うわぁ!! ロマーニャって大きいですね!!」
「すご〜い!! 横須賀なんかよりずっと都会だよ!!」

 嵐のようなシャーリーの運転に耐える事数十分ほど。三途の川を渡りかけた宮藤と和音だったが、それもロマーニャの街に着くまでの事。息も絶え絶えでトラックから降りた二人は、目の前に広がる美しい街並みにしばし言葉を失った。

「ま、欧州でも有数の都市だからな。ルッキーニの故郷なんだぞ?」
「これが私のロマーニャだよ!! ね? すっごく綺麗でしょ!?」

 両手をいっぱいに広げて自慢するルッキーニだが、なるほど確かにすばらしい都市だ。これが果たして欧州有数の激戦区の都市なのだろうか? 石造りの街並みや道路、あちこちで響く呼び込みの声。人も、物も、戦時下とは思えないほど活発に行き来している。

「さぁ、今日はピクニックに来たわけじゃないんだぞ? ミーナ隊長から軍資金を預かって来たから、各自で手分けして買い物をしよう。集合場所は、あそこの噴水前だからな?」
「分かりました、シャーリーさん」
「ルッキーニちゃんをお願いしますね、シャーリーさん」
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